分子標的薬をはじめとする化学療法の進歩で、切除不能と判断された進行大腸癌でも、化学療法によって切除が可能になるケースが増えてきた。ドイツで行われたCELIM試験では、標準的な化学療法レジメンと抗上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)抗体セツキシマブを併用投与することにより、切除不能大腸癌患者の46%で肝転移の切除が可能になった。

 CELIM 試験の責任医師の1 人であるドイツKlinikum OldenburgのClaus-Henning Kohne氏に、大腸癌治療におけるCELIM試験の意義を中心に、2010年米国臨床腫瘍学会(ASCO)のトピックスならびに抗EGFR抗体薬の動向について解説していただいた。



 CELIM 試験は、切除不能大腸癌肝転移患者を対象とした多施設無作為化フェーズ2 試験です。試験は多職種のチーム(Multidisciplinary team)によって行われ、切除不能かどうかの判断も外科医と腫瘍内科医がともに行いました。肝外病変のある患者は除外しています。登録した患者はFOLFOX 療法とセツキシマブの併用かFOLFIRI 療法とセツキシマブの併用のどちらかの治療を受けました。

 投与後、患者の状態は多職種チームによって2カ月ごとに評価され、手術できるかどうかが決められました。私はこの綿密なフォローアップが重要だと思っています。結果として、奏効率(ORR)は62%(FOLFOX +セツキシマブ群が68%、FOLFIRI +セツキシマブ群が57%)、KRAS 野性型の患者では70%になりました。

 この試験で最も重要な点は、3 分の1の患者(34%)がRO 切除に至ったことです(FOLFOX +セツキシマブ群が38%、FOLFIRI +セツキシマブ群が30%)。驚くべきことに、この試験の対象患者が切除不能大腸癌肝転移患者であったなか、化学療法+セツキシマブ治療後、全登録患者の46%で肝転移のR0もしくはR1 切除、あるいは経皮的ラジオ波焼灼療法を行うことができたのです。

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