カナダOncolytics Biotech社は、9月2日、残存または再発した卵巣癌卵管癌原発性腹膜癌の患者を対象として、ヒトレオウイルスを用いた癌治療薬「REOLYSIN」とパクリタキセルを併用する無作為化フェーズ2試験(GOG186H試験)を、Gynecologic Oncology Group(GOG)が実施する予定であることを発表した。

 REOLYSINは、ヒトレオウイルスを利用した静注薬。レオウイルスは正常細胞に感染しても増殖できないが、ras経路が活性化されている癌細胞などで特異的に増殖し、細胞を破壊する。

 GOGは婦人科癌に特化した非営利的な臨床研究グループだ。米国立衛生研究所(NIH)の一部である米国立癌研究所(NCI)が財政的なスポンサーを務めている。承認されたGOG186H試験についても、Oncolytics Biotech社との臨床試験に関する合意(Clinical Trials Agreement)の下、NCIが後援する予定だ。

 この試験では、標準用量のパクリタキセルを28日サイクルの1、8、15日目に投与する群と、パクリタキセルの投与に加え、REOLYSINを3×1010 TCID50で28日サイクルの1〜5日目に併用する群に患者を無作為に割付ける。患者の登録は、150人までを予定している。

 試験の主要目的は、パクリタキセルのみを投与する群に対する併用群の無増悪生存期間(PFS)のハザード比を評価することと、両群の治療に関連して発生する有害事象の頻度と重症度を判定することである。

 さらに副次的目標として、両群のPFSと全生存期間(OS)を評価すること、各レジメンで奏効する患者の割合を評価し比較すること、測定可能および検出可能な病変を有する患者のPFSとOSを比較することを挙げている。

 米国では2010年に2万1880人が卵巣癌と診断され、このうち1万3850人が死亡すると推定されている。卵巣癌患者は全女性癌患者の約3%で、婦人科癌では2番目に多い。限局性の卵巣癌の予後は良好で、5年生存率は94%であるが、この段階で診断される患者は15%未満に過ぎない。そのため、卵巣癌の全ステージの10年生存率は約38%にとどまっている。