大腸癌の周術期化学療法をテーマに、東京医科歯科大学大学院腫瘍外科教授の杉原健一氏と米国Mayo Clinic College of Medicine Professor of OncologyのSteven Alberts氏に、結腸癌の術後補助化学療法、大腸癌肝転移切除例におけるFOLFOX療法の意義について話し合っていただいた(日経メディカル別冊)。

Stage II、III それぞれの再発リスクと治療のベネフィットの検討が必要

東京医科歯科大学大学院腫瘍外科教授の杉原健一氏

杉原:本日は大腸癌の周術期化学療法をテーマにお話を伺いたいと思います。まず、結腸癌の術後補助化学療法の意義と目的についてお話いただけますか。

Alberts:結腸癌の術後補助化学療法の目的は術後の再発率を減少させることです。術後補助化学療法に関しては、この数年間にstage II、IIIの結腸癌に対する術後補助化学療法の重要な臨床試験結果が発表されています。MOSAIC 試験では、持続静注5-FU/ロイコボリン(LV)療法とFOLFOX4療法を、NSABP-C07 試験では、急速静注5-FU/LV 療法とFLOX 療法を比較しています。この2つの試験では、オキサリプラチンの上乗せ効果が示されました。

杉原:最近、AJCC(American Joint Committee on Cancer)の病期分類が変更され、stage II とIIIがそれぞれ3 項目に分類されました(図1)。生存率はstage IIIAの患者の方がstage IIの患者よりも良好です。一方で、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)のガイドラインでは、stage IIIと高リスクのstage IIの結腸癌にFOLFOX 療法が推奨されています。この点についてAlberts 先生のご意見をお聞かせ下さい。

米国Mayo Clinic College of Medicine Professor of OncologyのSteven Alberts氏

Alberts:AJCCの新しい病期分類は、stage IIとIIIの間に不自然な境界を設けていたことに気付くきっかけになりました。Stage II とIII ともに同じstage の中に異なる再発リスクの患者群が含まれていることが明らかになっています。NSABP(National Surgical Adjuvant Bowel and Bowel Project)や欧州のグループが行った試験の多くには、stage IIとIIIの患者が組み入れられていますが、stage IIとIIIのそれぞれの中で、どの患者の再発リスクが高いかを明らかにする必要があると思います。少なくとも、これまでに行われた臨床試験をレトロスペクティブに解析し、治療のベネフィットを明確にしなくてはなりません。

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