図4(上) 熊本赤十字病院などで実施された多施設共同フェーズII臨床試験の概要 図5(下) Treatment deliveryの結果概要(画像をクリックすると拡大します)

 レジメンは、カルボプラチン(4AUC)+ゲムシタビン(1000mg/m2)で3週間隔の投与。1日目にカルボプラチンとゲムシタビン。8日目にゲムシタビン。ポイントは、8日目におけるゲムシタビンの減量で、好中球数1000未満、血小板数75000未満となった場合は8日目の投与をやめ、次のクールに移り、その際には減量して行うという基準を設けた(図4)。

 最終的には、80歳以上の患者が4割を占めたが、Treatment deliveryの中間値は4コース、最大7コースまで到達した症例もあった(図5)。血液毒性がポイントの1つだが、血小板減少は47%で、若年者を対象としてカルボプラチンが5AUCだった試験では81%に血小板減少が見られていることを考えれば、このフェーズII試験では少なかったといえる。この結果は8日目の減量に効果があったと考えられる(図6)。

図6(上) 血液毒性の結果 図7(下) カルボプラチン+ゲムシタビン併用のフェーズII臨床試験の結果概要(画像をクリックすると拡大します)

 奏効率は29%、病勢制御率は86%で、生存期間中央値が15.9カ月という結果だった(図7)。進行までの期間が4カ月と他の試験と同程度ということを考えると、進行後のセカンドライン治療による効果が出たと推定された。セカンドライン治療可能な症例は71%で、多い場合は6次治療まで到達したという。PSを維持しながら治療ができるというのが、この治療のメリットだと佐々木氏は指摘した。

 QOL調査では、咳、体重減少、呼吸困難の改善が認められた。進行までの期間が4カ月のため、息切れについては6週後の評価から少し症状が戻るが、全体的には改善している傾向だった(図8)。

図8 カルボプラチン+ゲムシタビン併用のフェーズII臨床試験のQOL調査結果の概要(画像をクリックすると拡大します)

 この試験では全例が少なくとも1コース以上外来において施行できている。用心のために1コース目を入院で行った患者はいるが、2コース目以降はほとんど外来に移行できているため、外来に適した、2時間ぐらいでできるレジメンといえると、佐々木氏は評価した。

 講演の最後に佐々木氏は、現在、外来化学療法を受けた患者のどれくらいが介護認定を受けているか、訪問看護ステーションがかかわる患者がどれくらいいるかを調査していることを明らかにし、「高齢者の外来化学療法について、在宅ケア、プライマリケア医との連携、緩和ケアシステム、介護保険、訪問看護などの社会的支援と多様なサポートが必要だ。これらのサポートを取り込んだ実地臨床に取り組むべき」と指摘して締めくくった。