消化管間質腫瘍(GIST)に対してはイマチニブが高い効果を発揮し、転移・再発性GIST患者の予後は大きく改善されている。しかし、長期生存例が増えると共に、一度イマチニブが奏効した後に増悪するイマチニブ二次耐性腫瘍への対応が課題となっている。2年で50%程度が再燃するといわれている。

 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野の神田達夫氏は、10月18日に神戸市で開催されたJDDWで、二次耐性病変への外科治療について講演。局所増悪した患者では、適切な症例を選択し、完全切除を目指すが、大きな手術は受けるべきではないとの考え方を示した。また、イマチニブが有効なうちに残存している腫瘍を切除することが、増悪後の切除に比べて患者の予後は良好で、長期の疾患コントロールができる可能性を指摘した。

 神田氏は、講演で新潟大学医歯学総合病院で実施された13人(のべ25回)のイマチニブ二次耐性GIST切除の結果を報告した。術後無増悪期間中央値は7カ月(1カ月から29カ月)と短いものの、生存期間は2年生存率が68%と比較的良好だった。また、ドイツと米国の試験でもそれぞれ無増悪生存期間が8カ月と同様な結果が得られていることを紹介した。

 さらに、大阪大学との共同試験で、症例数が少ないながら、完全切除できた7例の方が、不完全切除の9例よりも無増悪生存率が高いことを見出し、完全切除することが大切であることを強調した。完全切除できる患者としては局所の数が2から3個までで、大きさは5cm程度以下ではないかと説明した。

 また、手術を受けても患者はイマチニブを服用し続けることから、合併症の起こるような手術は避けること、無増悪期間がそれほど長くなく、手術を繰り返す可能性があることから低侵襲性の手術が良いことも指摘した。

 一方、増悪する前に残存GISTを切除することについて、神田氏は背景には、二次耐性が生じてくること、増悪は治療対象となった病変の再増大によるものが多いこと、二次耐性腫瘍切除の成績は必ずしも良いものではないことがあるとした。実際に新潟大学でイマチニブ奏効残存腫瘍を切除した例を紹介し、病理検査で残存部にKIT陽性の腫瘍が残っていたことを示した。

 また、米国とイタリアでの試験で、増悪してから切除した場合よりも残存腫瘍を切除した場合が無増悪生存率が高いことが示されていることも紹介。さらに、残存腫瘍を切除した場合でもイマチニブを継続して服用した方が再発を抑制できることも海外の試験結果から明らかになっていると説明した。ただし、イマチニブ奏効中の残存腫瘍の切除が、分子標的治療単独治療に比べて患者の予後を延長できるかは、前向き臨床試験を待たなければならないことも強調した。