癌治療に尽力する各地の薬剤師にスポットを当てるこのコーナー。第4回は九州大学病院薬剤部の池末裕明氏だ。



──癌の化学療法に関する「ワークシート」を作成して業務に役立てているそうですが、「ワークシート」とはどういったものなのでしょうか。

池末 我々が使っているのは、処方チェック・副作用モニタリングシート(図1参照)、服薬指導シート(次ページ図2参照)、副作用対策シートという3つのシートのパッケージを指しています。

 処方チェック・副作用モニタリングシートは、担当した患者がどのようなレジメンを受けているか、そのレジメンにはどんな副作用が考えられるのか、どんな服薬指導をすべきか、というのが一目で分かるようになっているものです。服薬指導シートは、治療の内容やスケジュール、治療による副作用をご理解いただきやすいようにまとめたシートで、患者さんにお持ちいただいています。

 こういったツールは10年以上前から使ってきました。他の医療機関もお使いになっていることが多いのではないかと思います。

 我々のシートが特徴的なのは、シートの一部を青色で塗っている点です。これは、化学療法に伴う副作用が発生しやすい時期を青色で塗って、視覚的に分かりやすくしています。これによって、患者さんも医療者も、いつ何に注意すべきか、イメージを共有できるようになりました。

 あるレジメンを施行する際、我々薬剤師はそのレジメンによって発生しやすい副作用などを説明するわけですが、それを聞いた患者さんには、「いつもそんなにたくさんのことに注意する必要があるのか」と不安になることがありますが、このシートにより治療全体のイメージをつかんでいただけていると思います。

 また、我々薬剤師も、常に治療にかかわる全てのことに注意しておくことは大切ですが、常に全てを注意しておくのは負担が大きすぎると思っていました。

図1 池末氏らが用いている処方チェック・副作用モニタリングシートの例(池末氏提供、画像をクリックすると拡大します)