求む!ジェネラリスト
――ジェネラリストはどう育成するんでしょうか。

 それは…。正直言って、これからの課題なんです。ここ7年の経験から、領域が決まっている専門家は育成しやすいことがわかりました。それに比べてジェネラリストの育成は本当に難しい。まず、全体を把握して調整し、さらに動かすという才能が必要ですね。

――マニュアル化はできないですしね。

 できないですね。患者さんのニーズと看護師の能力を踏まえ、人間同士の相性も考えてコーディネートするというすごい能力ですから。まずは人を好きで、人間観察に優れているという能力がベースになるのでしょうが。

 ジェネラリストのロールモデルが何人か出てくれば、自然とジェネラリストが次々に育ってくると思うんです。ある領域において専門性が高い看護師というロールモデルはこの病院にも既に何人かいて、その人たちを見て若い看護師が目指そうというムードになっています。

 以前の職場では、創傷・オストミー・失禁(WOC)認定看護師だった私をタイムリーに起用するジェネラリストの看護師さんがいて、「すごい人だなあ」と誰もがあこがれていました。こういった人がこの病院にも早く出てきてほしいですね。

 ただ、その土壌が形成されるには時間が必要なようで、「有能なジェネラリストが出るには10年かかる」と前の職場では言われていました。静岡がんセンターは現在7年目。そろそろ、人材が出てきてくれるのではないかと期待しています。

――そういった数値化できない能力を評価して伸ばすことは、どの業界でも難しいことですよね。

 そういった人と実際に仕事をすれば自然とすごさがわかるんですけどね。若い組織では、その片鱗を見せている看護師がいても、本人も周りもそのすごさを認識できない。うちはまだここの段階ですね。

 この段階で管理職として意識していることは、ジェネラリストの価値を繰り返し伝えることですね。ただ、具体的な説明はやっぱり難しい。そこをはっきりさせることが管理職に求められているんでしょうが、「すごい」としか表現できないんです(笑)。

――少なくとも看護師長クラスはジェネラリストという能力を理解し、育成を意識してということでしょうか。

 看護師長であれば、ジェネラリストの最たるものでなければならないでしょうね。チーム医療の中では、看護師以外のスタッフのコーディネートも求められますし。