ただし、この結果は導入化学療法としてTPF療法が優れていることを示したに過ぎず、標準治療の化学放射線療法との比較ではない。現在、導入化学療法と化学放射線療法を比較する臨床試験が複数行われているが、その結果を待たなければ導入化学療法を加える意義はわからない。したがって、現時点では導入化学療法は一般臨床で行うべきではないと言われているが、欧米では一般臨床で使用している施設が増えている。

●喉頭温存を希望する局所進行頭頸部癌の治療

 方向性を決めたのは、喉頭癌を対象としたフェーズ3のRTOG91-11試験で、放射線療法単独群、CDDPを用いる化学放射線療法群、FPを用いる導入化学療法を行う群を比較した。主要評価項目の喉頭温存率は、化学放射線療法群が最も優れていた。局所制御率についても化学放射線療法群が有意に良好だった(p=0.0018)(下図)。一方、喉頭切除なしの生存率(Laryngectomy-Free Survival)と遠隔転移無発生率(freedom from distant metastases)、無再発生存率の3つの指標については化学放射線療法群と導入化学療法群の5年間の成績は同等で、全生存率については3群間の5年生存率はほぼ同等だった。

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