米Exelixis社は3月25日、進行が早い、切除不能な局所進行または転移を有する甲状腺髄様癌(MTC)の成人患者の治療として、欧州委員会がcabozantinib(米国での商品名:Cometriq)を承認したと発表した。

 cabozantinibは、RET、MET、VEGFRなどのチロシンキナーゼを阻害する薬剤。欧州委員会は、2013年12月に欧州医薬品委員会(CHMP)がcabozantinibに肯定的意見を示したことに続き、暫定的な販売を承認していた。承認された適応には、個々の患者の治療を決定する際、RET遺伝子変異の状態が不明または陰性の患者では有用性が低い可能性を考慮する必要があるとされている。

 さらに、2014年1月の希少疾病用医薬品委員会(COMP)の会合では、MTCを適応とするcabozantinib の希少疾病用医薬品の指定が再検討され、指定を販売承認時も維持することが推奨された。

 米国では2012年11月29日、米食品医薬品局(FDA)により、cabozantinibが進行MTCに対し承認された。米国と欧州の承認は、国際的な多施設共同、二重盲検、フェーズ3のランダム化試験(EXAM)の結果に基づいている。EXAM試験は、進行が早い、切除不能な局所進行または転移を有するMTC患者330人を対象とし、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はプラセボと比べてcabozantinibで有意に改善した。

 安全性も同試験で確立されているが、添付文書の黒枠警告では、大腸に重大または致命的な穿孔・瘻孔と出血が発生する場合があるとされている。血栓症や創合併症などにも注意が必要だ。その他に多く報告された有害事象は、下痢、口内炎、手足症候群、体重減少、食欲低下、悪心、疲労感、口腔の痛み、毛髪の色の変化、味覚異常、高血圧、腹痛、便秘だった。検査値の異常では、AST/ALT値の上昇、リンパ球減少症、ALP値の上昇、低カルシウム血症、好中球減少症、血小板減少症、低リン酸血症、高ビリルビン血症が多かった。

 Exelixis社は2013年2月、スウェーデンSwedish Orphan Biovitrum(Sobi)社とcabozantinibの商業化と流通について合意しており、Sobi社は2015年末まで、承認された適応における欧州連合での商業化をサポートする。