米Hackensack大学John Theurer癌センターなどの研究者たちは、2014年1月23日、経口型の選択的PI3Kデルタ阻害薬idelalisibを低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者に投与したシングルアームのフェーズ2試験で好結果が得られたと発表した。詳細は、NEJM誌電子版に2014年1月22日に報告された。

 idelalisibは、ホスホイノシタイド3キナーゼ(PI3K)デルタに対する特異性の高い阻害薬。PI3KデルタはBリンパ球の活性化と増殖、生存に必須のたんぱく質で、B細胞性のリンパ腫と白血病の多くにPI3Kデルタの過剰発現が見られている。これを阻害するidelalisibは、CLLや他のB細胞性悪性疾患に対する、化学療法剤を含まない治療を提供できると期待されている。フェーズ1試験では、治療歴のあるiNHL患者に対する効果が示唆されていた。

 今回論文発表された国際的なフェーズ2試験は、オープンラベルで行われた。標準的なiNHL治療(リツキシマブとアルキル化薬)に反応しなかった、または治療後6カ月以内に再発した125人の患者を登録し、Idelalisib 150mgを1日2回、進行が見られるまで、または脱落まで経口投与した。

 主要転帰評価指標は全奏効率に、2次評価指標は奏効期間、無進行生存期間、安全性に設定された。

 患者の年齢の中央値は64歳で、中央値4回の治療歴を持っていた。iNHLのサブタイプは、濾胞性リンパ腫(72人)、小リンパ球性リンパ腫(28人)、辺縁帯リンパ腫(15人)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症を有する/有しないリンパ系質細胞性リンパ腫(10人)だった。

 得られたデータはidelalisibの抗腫瘍活性を示した。57%(125人中71人)が客観的奏効を達成、6%は完全奏効と判断された。効果は治療開始から1.9カ月で現れ、奏効期間の中央値は12.5カ月だった。治療の利益はどのサブタイプの患者にも同様も見られた。無増悪生存期間の中央値は11カ月だった。

 報告が多かったグレード3以上の有害事象は、好中球減少症(27%)、アミノトランスフェラーゼ値上昇(13%)、下痢(13%)、肺炎(7%)だった。

 これまで2種類の標準治療が奏効しなかったiNHL患者に対する有効性が示されている治療はなかった。