米Nektar Therapeutics社は、1月14日、既治療の局所進行もしくは転移性乳癌患者を対象としたetirinotecan pegol(NKTR-102)のフェーズ3試験BEACONにおいて、中間解析の結果から、独立データモニタリング委員会が同試験の継続を勧告したと発表した。

 Etirinotecan pegolは、初めての長時間作用型のトポイソメラーゼI阻害剤。従来の乳癌治療薬とは異なる作用機序をもつため、交差耐性を軽減し、毒性の重複を減らすと考えられている。

 BEACON試験は、etirinotecan pegolの多施設共同オープンラベル無作為化フェーズ3試験。試験には局所再発もしくは転移性乳癌で、アントラサイクリン系抗癌剤、タキサン系抗癌剤、カペシタビン(ATC)による治療歴のある女性852人が登録した。北米、西欧、ロシア、韓国を含むおよそ150施設で試験は実施されている。

 試験では、etirinotecan pegolを投与する群と、医師が選択した治療薬を投与する群に1:1の割合で患者を割付け、etirinotecan pegolは145mg/m2を3週おきに投与した。医師が選択した治療薬は、ixabepilone、ビノレルビン、ゲムシタビン、エリブリン、タキサン系抗癌剤であった。また無作為化は、地域、エリブリンによる治療歴、受容体の状態によって層別化された。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目には無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、臨床的有用率、奏効期間、薬物動態、安全性、QOL、および薬剤経済が含まれる。またORRやPFS、OS、一部の毒性との関連性を検討するため、特定のバイオマーカーについても評価している。

 独立データモニタリング委員会では、主要評価項目を評価するのに必要なイベント(患者の50%)を含め、有効性と安全性について中間解析を行うことを事前に設定していた。2013年8月に852人の登録が終了した。最終結果は2014年末から2015年前半に報告される見込みで、結果がポジティブであれば、2015年下半期に米国と欧州で承認申請が行われる予定。

 etirinotecan pegolのフェーズ2試験では、確定ORRが29%に達し、臨床的有用率(CR+PR+6カ月以上のSD)が14日おき投与群では37%、21日おき投与群では49%だった。副作用は、乳癌治療で高頻度の脱毛や神経障害、好中球減少症の発現率がetirinotecan pegolでは低かった。そのほかの副作用も、管理可能であり、主なグレード3の毒性は下痢(17-23%)だった。

 etirinotecan pegolは、2012年11月、ATCによる治療後に進行した局所再発もしくは転移性乳癌患者の治療薬として、米食品医薬品局(FDA)により優先審査の指定を受けた。転移性乳癌のほか、卵巣癌、大腸癌、神経膠腫、肺癌の治療薬としても検討されている。