米Celgene社の子会社Celgene International Sarl社は1月7日、欧州委員会(EC)が、転移性膵癌のファーストライン治療薬として、「アブラキサン」(一般名:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))とゲムシタビン併用療法を承認したと発表した。

 アブラキサンは、ヒト血清アルブミンにパクリタキセルを結合させ、ナノ粒子化したパクリタキセル製剤(nab-パクリタキセル)。国内では、乳癌、胃癌、非小細胞肺癌を適応症に承認されている。

 今回の承認は、国際的オープンラベル無作為化フェーズ3試験MPACT(Metastatic Pancreatic Adenocarcinoma Clinical Trial)の結果に基づいている。同試験は、化学療法による治療歴がない転移性膵癌患者861人を対象とし、北米、東欧・西欧、オーストラリアを含む11カ国151施設で行われた。

 この試験で、アブラキサンとゲムシタビン併用療法は、ゲムシタビン単剤療法と比べ、全生存期間(OS)を有意に改善した(N Engl J Med 2013; 369:1691-1703)。OS中央値はアブラキサンとゲムシタビン併用療法群が8.5カ月、ゲムシタビン単剤療法群が6.7カ月、ハザード比は0.72、p<0.001だった。併用療法群で多く認められたグレード3以上の有害事象は、好中球減少症、倦怠感、末梢神経障害であった。

 ECの決定は、欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、2013年11月に示した肯定的意見に従ったもの。アブラキサンは今後数カ月のうちに欧州連合で発売が開始される予定。米国FDAは2013年9月、MPACT試験の結果に基づき、アブラキサンを転移性膵癌のファーストライン治療薬としてゲムシタビンとの併用で承認している。

 「転移性膵癌の生存率は低く、患者とその家族は非常に厳しい状況にあった。しかし現在、従来の治療薬であるゲムシタビンにnab-パクリタキセルを追加することにより、全生存期間は改善し、副作用も管理可能である」と、MPACT試験の主任研究者であるスペインVall d'Hebron Institute of Oncology / Vall d'Hebron University Hospitalの Josep Tabernero氏は述べている。