米CytRx社は、1月8日、進行軟部組織肉腫の患者に対するファーストライン治療としてaldoxorubicin(INNO-206)の極めて高い有効性が示された国際的な多施設共同、非盲検、フェーズ2bのランダム化試験について、追加解析でも効果の高さを裏付ける結果が得られたと発表した。

 aldoxorubicinでは、血流中の最も多い蛋白であるアルブミンに直接かつ特異的に結合する新たな単一分子のリンカーを、ドキソルビシンに結合させている。蛋白に乏しい腫瘍はアルブミンを凝集するため、ドキソルビシンを付加したリンカー分子の送達は腫瘍に対し増強する。ドキソルビシンの放出は腫瘍の酸性の環境下でのみ行われるため、ドキソルビシンの3.5-4倍の用量が投与可能になる一方、副作用は減少する。これまでの研究では、累積用量が2g/m2を超過しても、臨床的に重要な心筋への作用は示されていない。

 フェーズ2b試験では、123人の進行軟部組織肉腫患者を対象として、aldoxorubicinを投与する群(aldoxorubicin群、83人)またはドキソルビシンを投与する群(ドキソルビシン群、40人)に、2:1でランダムに割付けた。治療は21日を1サイクルとし、aldoxorubicinは350mg/m2(ドキソルビシン260mg/m2に相等)を1日目に30分かけて静脈内投与し、ドキソルビシンは75mg/m2を1日目に5-30分かけて静脈内投与した。治療は、試験治療からの脱落または最大6サイクルまで継続した。

 2013年12月11日の初回報告では、試験担当医師の評価と盲検化された中央の放射線検査室のレビューにおいて、aldoxorubicin群はドキソルビシン群と比べて有意に良好な転帰を示し、aldoxorubicin群の無増悪生存期間(PFS)は80-100%改善した。ITT解析では、試験担当医師の評価によるPFS中央値は、aldoxorubicin群8.4カ月、ドキソルビシン群4.7カ月(p=0.0002)、中央のレビューによるPFS中央値はそれぞれ5.7カ月と2.8カ月だった(p=0.018)。6カ月の時点で進行を認めなかった患者は、試験担当医師の評価ではaldoxorubicin群67.1%、ドキソルビシン群36.1%(p=0.005)、中央のレビューではそれぞれ46.8%と23.7%だった(p=0.038)。

 今回発表された追加解析では、主要評価項目であるPFSのハザード比が明らかになった。試験担当医師の読影によるハザード比は0.37(95%信頼区間:0.212-0.643)となり(p=0.0004)、進行のリスクは63%減少した。中央のレビューではハザード比は0.59(95%信頼区間:0.36-0.96)となり(p=0.034)、進行のリスクの減少は41%となった。

 個々の症例の進行までの期間を表すKaplan-Meier分析でも、ドキソルビシン群と比べてaldoxorubicin群の有意な改善が報告された。本試験の詳細な結果は、今年6月に米国シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表される予定である。

 現在CytRx社は、軟部組織肉腫で化学療法で治療後に進行した患者を対象として、aldoxorubicinを検討する大規模なフェーズ3試験を計画している。aldoxorubicinについてはその他にも、後期の神経膠芽腫の患者を対象としたフェーズ2試験が開始されており、またHIVに関連するカポジ肉腫の患者を対象としたフェーズ2試験も計画されている。