12月23日、独Merck Serono社の発表によると、欧州委員会は、転移性大腸癌を対象とした抗EGFR抗体セツキシマブ(商品名「アービタックス」)の適応をRAS野生型腫瘍と改訂し、RAS変異型およびRAS状態不明の症例を適応から除外することを決定した。

 この決定は、OPUS試験のバイオマーカー・データについて、医薬品委員会(CHMP)が2013年11月に公表した肯定的見解を受けたもの。

 セツキシマブは、EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とするIgG1モノクローナル抗体で、今後は、RAS遺伝子変異のない(野生型)転移性大腸癌患者に対し、イリノテカンベース化学療法との併用、ファーストラインでのオキサリプラチンベース化学療法との併用、あるいはオキサリプラチン/イリノテカンベースの化学療法が不応かイリノテカン不耐患者に対する単剤での使用が認められる。

 改訂後の添付文書では、セツキシマブ/オキサリプラチンベース化学療法の併用はRAS野生型のみ対象となり、RAS変異型およびRAS変異の有無が不明の腫瘍は除外となる。
 
 OPUS試験は、転移大腸癌を対象としたフェーズ2ランダム化比較試験で、セツキシマブ/FOLFOX-4(オキサリプラチンベース化学療法)併用群とFOLFOX-4単独群での有効生を比較した。登録患者337人のうち、179人がKRAS exon2野生型だった。

 OPUS試験では、KRAS exon2(codon12、13)に加え、KRAS exon3、4とNRAS exon2、3、4をバイオマーカーとして評価した。RAS野生型腫瘍の患者ではセツキシマブによる利益が確認されたが、RAS変異型腫瘍の患者では利益は認められない可能性が示唆されたという。

 OPUS試験で得られたデータの詳細は、2014年1月にサンフランシスコで開催予定の米国臨床腫瘍学会消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)で報告される。