スイスCelgene International社は11月22日、欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、転移性膵腺癌の初回治療として、「アブラキサン」(nab-パクリタキセル)とゲムシタビンの併用療法に対し、肯定的意見を示したと発表した。欧州委員会はCHMPの勧告に従い、2-3カ月以内に最終決定すると見られる。

 「アブラキサン」は、ヒト血清アルブミンにパクリタキセルを結合させ、ナノ粒子化したパクリタキセル製剤。国内では、乳癌、胃癌、非小細胞肺癌を適応症に承認されている。

 今回のCHMPによる肯定的意見は、国際的オープンラベル無作為化フェーズ3試験MPACT(Metastatic Pancreatic Adenocarcinoma Clinical Trial)に基づいている。同試験は、化学療法による治療歴がない転移性膵腺癌患者861人を対象とし、北米、東欧・西欧、オーストラリアを含む11カ国151施設で行われた。

 試験の結果、アブラキサンとゲムシタビン併用療法は、ゲムシタビン単剤療法と比べ、全生存期間(OS)を有意に改善した。アブラキサンとゲムシタビン併用療法のOS中央値は8.5カ月、ゲムシタビン単剤療法は6.7カ月(ハザード比0.72、p<0.001)で、アブラキサン追加により死亡リスクは28%低下した。

 アブラキサンとゲムシタビン併用療法で多く報告されたグレード3以上の有害事象は、好中球減少症、白血球減少症、倦怠感、末梢神経障害であった。

 これらの結果は、New England Journal of Medicine誌に掲載されている(N Engl J Med 2013; 369:1691-1703)。米国ではMPACT試験の結果に基づいて、2013年9月に、アブラキサンは転移性膵腺癌の初回治療薬としてゲムシタビンとの併用で承認された。