切除不能の進行皮膚黒色腫対象フェーズ3試験の中間解析で、talimogene laherparepvec(略称T-Vec、別称Onco-Vex)は、対照となるGM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)投与群に対し、副次的評価項目である生存期間(OS)において延長傾向を示したことが、11月18日にSociety for Melanoma Research(SMR)2013で発表された。

 OSは23.3カ月vs. 19.0カ月、ハザード比0.79、95 %信頼区間:0.61-1.02、p=0.0746という結果だった。
 
 さらに患者のサブセット解析では、ステージIIIB、IIICおよびIV M1a(皮膚、皮下組織または遠隔リンパ節転移有り)の患者(ハザード比0.56、95%信頼区間:0.38-0.81)、または初回治療としてtalimogene laherparepvecを投与した患者(ハザード比0.49、95%信頼区間:0.33-0.74)では、特に顕著な効果がみられた。これらの患者は合わせて50%を占めた。

 この中間解析結果は、既に報告されている主要評価項目の持続的奏効率(DRR:CR/PRが6カ月以上持続した症例)とともに、初の腫瘍溶解性治療薬の申請に枢要なデータとなる。最終結果は2014年に発表の予定。

 米Amgen社のTalimogene laherparepvecは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を用いた腫瘍溶解性免疫療法薬で、直接腫瘍に注入すると、選択的に腫瘍細胞内で増殖し、癌細胞の細胞膜が破裂するまで増殖を続けて癌細胞を破壊する。続いて、癌細胞中のウイルスが白血球刺激因子GM-CSFを伴って放出される仕組みで、結果として、全身の腫瘍特異的免疫反応を誘導する。

 切除不能のステージIIIB 、IIIC、IVの悪性黒色腫患者400人以上を対象に実施したtalimogene laherparepvecの国際フェーズ3試験(NCT00769704)は、talimogene laherparepvec群とGM-CSF群に患者をランダムに割り付け、その有効性と安全性を評価した。 

 患者は、28日を1サイクルとして、2週間ごとにtalimogene laherparepvecを直接病巣に注射する群と、最初の14日間にGM-CSFを皮下注射する群に2:1で割付けられた。治療は最長18カ月継続し、奏効および安定が持続した患者では引き続き治療可能とした。

 Talimogene laherparepvec群で多くみられた有害事象は疲労、悪寒、発熱、蜂巣炎で、両群に最も多かった重篤有害事象は病勢進行だった。重篤有害事象は、talimogene laherparepvec 群では26%、GM-CSF群では13%に発症した。免疫疾患はまれだった。

 主要評価項目であるDRRは、talimogene laherparepvec群16%、GM-CSF 群2%で、talimogene laherparepvec群で有意な改善が認められた。