米食品医薬品局(FDA)は2013年11月13日、マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療にブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬ibrutinib(商品名「Imbruvica」)を用いることを承認したと発表した。米Janssen Biotech社と米Pharmacyclies社が共同でこの製品を市販することになっている。

 B細胞性悪性疾患への治療適用を目的に開発されているibrutinibは、悪性化したB細胞のブルトン型チロシンキナーゼに共有結合して、悪性細胞の増殖と生存に欠かせない経路を遮断する。

 今回の承認は、治療歴のあるMCL患者に対するibrutinibの適用を可能にした。ibrutinibは、2006年のボルテゾミブ、2013年のレナリドミドに続いて、MCLを適応として承認された第3の治療薬になった。

 また、この製品は、FDAの画期的治療薬(breakthrough therapy)指定を受けた薬剤のなかで2番目に市販許可を得た。画期的治療薬指定は、2012年のFDA Safety and Innovation Act(FDASIA)の一部として制定されたもので、重篤もしくは致命的な疾患を対象とする治療薬をより早く患者のもとに届けることを目的としている。指定を受けた製品候補が、臨床試験で患者に対する臨床利益を予測させる代替エンドポイントについて有効性を示せれば、FDAはその薬剤を承認できる。このプログラムは、開発した会社が生存利益などの確かな効果を確認する試験を行っている間に、新たな治療薬を必要とする患者への薬剤の提供を可能にする。

 FDAは、ibrutinibをオーファンドラッグに指定しており、さらに承認申請に優先審査を適用している。

 MCLは、非ホジキンリンパ腫に分類されるが、まれで、悪性度は高く、診断時にリンパ節、骨髄、その他の臓器に転移が見られる患者が多い。米国では非ホジキンリンパ腫患者の約6%がMCLと診断されている。

 承認はオープンラベルのフェーズ2の結果に基づく。この試験は、再発性または難治性のMCL患者111人を登録して行われた。ibrutinibは560mg/日を28日サイクルで連日経口投与した。主要評価指標は、全奏効率(ORR;完全奏効[CR]+部分奏効[PR])に設定されていた。

 有効性の評価は110人を対象に実施。63人がボルテゾミブ治療歴無し、47人がありだった。分析時点の治療期間の中央値は9.2カ月で、ORRは、ボルテゾミブ使用歴なし群が65%(うち21%がCR)、あり群が72%(うち23%がCR)、全体では68%(うち22%がCR)になった。ORRはどの患者サブグループにおいてもほぼ同様だった。

 多く見られた有害事象は、血小板減少症、下痢、好中球減少症、貧血、疲労、筋骨格系疼痛、浮腫、上気道感染、悪心、紫斑、呼吸困難、便秘、発疹、腹痛、嘔吐、食欲減退など。一部の登録患者に認められた、臨床的に意義のあるその他の有害事象は、出血、感染、腎障害、他のがんの発生などだった。