スイスRoche社は11月7日、治療歴がない慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象としたフェーズ3のCLL11試験において、obinutuzumab(商品名「Gazyva」、開発名GA101)+クロラムブシルは、リツキシマブ+クロラムブシルと比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、増悪または死亡のリスクを61%減少させたと発表した。

 obinutuzumabは、糖鎖工学技術を用いて作製されたタイプ2の抗CD20モノクローナル抗体。米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬の指定(Breakthrough Therapy Designation)を受け、クロラムブシルとの併用で11月1日に承認されている。この指定を受けた製品がFDAに承認されたのは初めてとなる。Roche社は、欧州医薬品庁(EMA)など、欧州およびその他の国でも、obinutuzumabの承認申請を提出している。

 CLL11試験は、多施設共同、非盲検のランダム化試験で、obinutuzumab+クロラムブシル、リツキシマブ+クロラムブシル、クロラムブシル単剤の3群を比較した。同試験には、治療歴がないCLLで併存疾患を有する患者781人が登録された。

 同試験は2段階からなり、589人を対象とした第1段階では、クロラムブシル単剤群と比べて、obinutuzumab+クロラムブシル群のPFSが有意に延長し、奏効率も顕著に高い結果が示された。

 今回新たに発表されたのは、obinutuzumab+クロラムブシル群とリツキシマブ+クロラムブシル群を比較した第2段階の結果。

 PFS中央値は、obinutuzumab+クロラムブシル群(333人)で26.7カ月、リツキシマブ+クロラムブシル群(330人)では15.2カ月となり、obinutuzumabを投与した群で約1年間延長した(ハザード比0.39[95%信頼区間:0.31-0.49]、p<0.0001)。

 奏効率は、obinutuzumab+クロラムブシル群78%、リツキシマブ+クロラムブシル群65%、完全奏効率はそれぞれ21%と7%となり、obinutuzumabを投与した群で高い結果となった。さらに微小残存病変(MRD)陰性となったのは、obinutuzumab+クロラムブシル群では29.4%で、リツキシマブ+クロラムブシル群の2.5%と比べて10倍となった。

 新たな安全性の懸念は、obinutuzumabとリツキシマブのいずれにも認められなかった。

 これらの第2段階の結果は、今年12月に行われる第55回米国血液学会(ASH2013)のPlenary Scientific Sessionで発表される予定である。

 同試験の第1段階の最新の解析結果も併せて発表される予定だ。obinutuzumab+クロラムブシル群は、クロラムブシル単剤群と比べてOSが有意に延長している(ハザード比0.41[95%信頼区間:0.23-0.74]、p=0.002)。観察期間中央値は23カ月であるため、両群ともにOSは中央値に到達していない。

 さらにASH2013では、obinutuzumabに関する以下の試験の結果も発表される。

・CLLの初回治療として、G-FC療法(obinutuzumab、フルダラビン、シクロホスファミド)とG-B療法(obinutuzumab、ベンダムスチン)を検討するフェーズ1bのGALTON試験(GAO4779g)
・進行びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のファーストライン治療として、obitunutuzumabとCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)の併用を検討するフェーズ2のGather試験(GAO4915g)
・再発・難治性の濾胞性リンパ腫のメンテナンス療法として、obinutuzumabとCHOP療法またはFC療法を検討するフェーズ1bのGAUDI試験(BO21000)の最終データ