日本人の転移を有する乳癌でHER2陰性患者に、ゲムシタビンビノレルビンの併用が有効であることが明らかとなった。Kinki Multidisciplinary Breast Oncology Group(KMBOG)が行ったフェーズ2試験KMBOG1015で、効果と安全性が確認された。11月7日から9日までポルトガル・リスボンで開催されたADVANCED BREAST CANCER SECOND INTERNATIONAL CONSENSUS CONFERENCE(ABC2)で、KMBOGを代表して市立堺病院の山村順氏によって発表された。

 フェーズ2試験は、HER2陰性の進行または転移を有する20歳から70歳の乳癌患者で、タキサンを含むレジメンで治療を受けたことのある全身状態の良い(PS 0-1)患者を対象に行われた。患者には3週おきに1日目と8日目にゲムシタビン1200mg/m2とビノレルビン25mg/m2を投与した。主要評価項目は奏効率、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 試験には43人の患者が登録され、42人が評価可能だった。年齢中央値は55歳(33-75)、PS 0が29人(71%)、ホルモン受容体陽性が30人(73%)。内臓転移が32人(76%)、肝転移が20人(48%)、肺転移が10人(24%)だった。化学療法のライン数は1が5人(12%)、2が11人(26%)で、サードライン以降が6割以上を占めていた。

 42人全体の奏効率は24%で、完全奏効(CR)は0%、部分奏効(PR)が24%(10人)、PFS中央値は4.3カ月(0.5-14.3)、OS中央値は11.6カ月(1.4-31.5)だった。奏効率が海外のデータよりも低めだったが、山村氏は「海外のデータと比べてサードライン以降の患者が多かったためではないか」と語った。

 ホルモン受容体別に解析したところ、ホルモン受容体陽性患者(30人)では、奏効率は20%(6人)、PFS中央値は4.0カ月(0.5-14.3)、OS中央値は11.4カ月(2.6-31.5)、ホルモン受容体陰性患者(12人)では、奏効率は33%(4人)、PFS中央値は6.5カ月(0.8-13.3)、OS中央値は14.3カ月(1.4-24.6)で、陽性患者でPFSが有意ではないが(p=0.258)、良い傾向があった。この差について山村氏は「治療ライン数と組み合わせると、陽性患者はサードライン以降が半数に対して、陰性患者では7割であることが影響している可能性がある」と語った。

 ライン数別に解析したところ、セカンドライン以下(16人)では、奏効率は31%(5人)、PFS中央値は6.0カ月(0.8-14.3)、OS中央値は10.5カ月(1.9-31.5)、サードライン以降(26人)では、奏効率は19%(5人)、PFS中央値は4.0カ月(0.5-11.4)、OS中央値は13.0カ月(1.4-27.2)で、セカンドライン以下でPFSが有意(p=0.049)に良かった。

 グレード3/4の副作用は好中球減少症が22人(54%)、発熱性好中球減少症が2人(5%)、貧血が3人(7%)、血小板減少症が4人(10%)だった。