転移を有する乳癌に対する化学療法は、単剤を順次に使う方が、併用よりも無増悪生存期間(PFS)を延長するが、併用の方がより高い奏効率を示し、発熱性好中球減少症の発生率がより高いことが示された。また全生存期間(OS)には差がなかった。12試験のメタアナリシスの結果、示されたもの。高い奏効率が必要な急速に病気が進行している場合以外は単剤を順次に使用するという、国際的なガイドラインを支持する結果となった。

 結果は11月7日から9日までポルトガル・リスボンで開催されているADVANCED BREAST CANCER SECOND INTERNATIONAL CONSENSUS CONFERENCE(ABC2)で、オーストラリアUniversity of Sydney、Mater HospitalのRachel Dear氏によって発表された。

 研究グループは、MEDLINEなどのデータを「進行乳癌」と 「化学療法」のキーワードで検索を行った。すべての検索は2012年3月に行われた。

 転移を有する乳癌患者に対して、ファーストライン、セカンドライン、サードラインのいずれかで、併用化学療法と同じ薬剤を順次に用いた化学療法を比較した無作為化試験で、9つの治療法を比較した12試験が同定された。全体で2317人が無作為化されており、そのうち1023人が死亡していた。OSについては9件の試験、PFSについては8件の試験、奏効率については12の試験、毒性については12の試験のデータが用いられた。

 OSに対する全体のハザード比は1.04(95%信頼区間:0.93-1.16)、p=0.45で差はなく、サブグループ解析(化学療法のシェーマのタイプ)でも同じだった。化学療法のシェーマは、病状の進行に応じて化学療法を行うシェーマ(シェーマ1)と既定のサイクル数のあとで化学療法を行うシェーマ(シェーマ2)に分けて行われた。

 併用する場合は、順次投与する場合よりも増悪のリスクが高かった。ハザード比は1.16(95%信頼区間:1.03-1.31)、p=0.01で、サブグループ解析でも同じ結果だった。奏効率は併用群の方が高く、リスク比1.13(95%信頼区間:1.03-1.24)、p=0.008だった。しかし試験間での有意な多様性が存在した。シェーマ1の場合には、併用群のほうが増悪のリスクが有意に高く、リスク比1.38(95%信頼区間:1.21-1.56)、p<0.00001だった。しかしシェーマ2の場合は、リスク比0.92(95%信頼区間:0.80-1.04)、p=0.19で差がなかった。

 発熱性好中球減少症のリスクは併用群で高く、リスク比1.32(95%信頼区間:1.06-1.65)、p=0.01だった。吐き気、嘔吐、治療関連死には差はなかった。