スイスRoche社は、2013年11月1日、米食品医薬品局(FDA)が、治療歴の無い慢性リンパ性白血病(CLL)患者に、obinutuzumab(商品名「Gazyva」、開発名GA101)をクロラムブシルと共に用いることを承認したと発表した。

 obinutuzumabは、糖鎖工学的につくられた初のタイプIIヒト化抗CD20モノクローナル抗体で、リツキシマブと同様にB細胞表面のCD20を選択的に認識するが、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性やアポトーシス誘導活性が強化されている。

 obinutuzumabは、Roche社の全額出資子会社であるスイスRoche Glycart社が発見、開発したモノクローナル抗体製剤で、米国ではGenentech社とBiogen Idec社が共同で開発を進めてきた。

 承認は、オープンラベルの多施設無作為化フェーズ3試験CLL11の結果に基づくもの。治療歴の無いCLL患者で併存疾患を有する781人を登録した試験では、クロランブシル単剤に割り付けられた患者に比べ、クロラムブシル+obinutuzumab群の無増悪生存期間の中央値は有意に長く(11.1カ月と23.0カ月)、併用群の増悪または死亡のハザード比は0.16(95%信頼区間:0.11-0.24、p<0.0001)になった。全奏効率は、併用群が75.9%、クロラムブシル単剤群が32.1%で、完全奏効と判定された患者も27.8%と0.9%と顕著な差を示した。

 対照群に比べ介入群に多く見られたグレード3/4の有害事象は、初回投与時の注射部位の反応(対照群は経口薬のみの投与を受けたために0%、介入群は21%)、血小板減少症(3%と11%)、好中球減少症(16%と34%)だった。介入群に対照群と比較した感染率の上昇は見られなかった。

 この製品は、CLL11試験で無増悪生存期間の有意な延長を示したこと、CLLが重篤化し生命を脅かす可能性のある疾患であることに基づいて、FDAからBreakthrough Therapy指定を得ていた。この指定を受けた製品がFDAに承認されたのは、obinutuzumabが初めてだ。

 CLL11試験は現在も進行中で、クロラムブシルとobinutuzumabを併用したグループと、リツキシマブをクロラムブシルと併用したグループを比較したステージ2の結果は、2013年12月に開催される第55回米血液学会で報告されることになっている。

 CLLを対象とするobinutuzumabの承認申請は、欧州その他の国でも既に提出されている。

 obinutuzumabについては、無症候性の非ホジキンリンパ腫とびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の患者を対象として、リツキシマブと直接比較を行うフェーズ3試験も進行中だ。