新規PARP1/2阻害剤であるBMN673がBRCA関連癌に有望である可能性が明らかとなった。用量増多コホート/拡大コホートの2段階からなるフェーズ1試験のアップデートで、高い抗腫瘍効果を示した。10月19日から23日まで米国ボストンで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC2013)で、米University of California Los Angeles School of MedicineのZev A.Wainberg氏によって発表された。

 Wainberg氏によるとBRCA変異を持つ転移を有する乳癌を対象にしたBMN673のフェーズ3試験が最近開始されたという。

 実施された2段階からなるフェーズ1試験はBMN673の1日1回連続投与の安全性と有効性を評価するものだった。用量増多コホートに39人、拡大コホートを合わせて87人の患者が登録された。患者の年齢中央値は53歳(18-81)で、既治療レジメン数中央値は3(0-11)だった。1日あたりの投与量を25μgから1100μgに変えた用量増多試験の結果、最大耐量(MTD)は1日あたり1mgとなった。フェーズ1全体(80人)での副作用は、20%未満の患者でグレード3の倦怠感、貧血、好中球減少症、血小板減少症が認められた。グレード4の副作用が1人にだけ発現した。

 BRCAに変異を持つ乳癌患者18人(BRCA1に変異がある患者が7人、BRCA2に変異がある患者が11人、用量増多コホートが6人、拡大コホートが12人)、BRCAに変異を持つ卵巣癌患者28人(BRCA1に変異がある患者が20人、BRCA2に変異がある患者が8人、用量増多コホートが17人、拡大コホートが11人)、家族性ユーイング肉腫(ESFT)患者14人(2人用量増多コホート、12人が拡大コホート)、小細胞肺癌(SCLC)12人(計画は20人)について、効果の評価を行った。

 その結果、BRCA遺伝子に変異のある卵巣癌患者では、CA-125の評価が可能だった27人中9人(33%)で完全奏効(CR)が得られ、10人(37%)で部分奏効が得られた。RECISTによる評価可能な26人ではCRが1人(4%)、PRが11人(42%)、24週以上の病勢安定(SD)が4人(15%)、24週以下のSDが5人(18%)で、臨床利益率は82%となった。奏効期間中央値は26.9週(95%信頼区間:15.9-27.4)、無増悪生存期間中央値は33.4週(95%信頼区間:28.1-40.4)だった。

 BRCAに変異のある乳癌患者ではRECISTによる評価可能な18人ではCRが1人(6%)、PRが7人(39%)、24週以上の病勢安定(SD)が5人(28%)、24週以下のSDが3人(17%)で、臨床利益率は72%となった。フェーズ3の用量である1日あたり1mgの患者では奏効率は50%(14人中7人)、臨床利益率は86%(14人中12人)となった。奏効期間中央値は27.9週(95%信頼区間:19.9-40.3)、無増悪生存期間中央値は33.1週(95%信頼区間:13.1-40.4)だった。

 SCLC患者ではRECISTによる評価可能な7人中PRが1人、24週以下のSDが6人で認められた。ESFTでは評価可能9人中24週未満のSDが4人で見られた。