カナダAngiochem社は、2013年10月21日、ペプチド-薬剤(パクリタキセル)複合体ANG1005神経膠腫患者に投与するフェーズ2試験を開始したと発表した。

 米国内の約10施設で、再発性の高悪性度神経膠腫患者を最大で83人登録し、抗腫瘍活性を評価する計画だ。転帰評価指標は客観的奏効率、無増悪生存期間、全生存期間などに設定されており、安全性と忍容性の評価も行われる。

 同社は、LDL受容体関連たんぱく質1(LRP-1)経路を標的とすることにより薬剤の血液脳関門通過を容易にする技術、EPiCを保有する。LRP-1は血液脳関門の表面に顕著に発現する受容体の1つで、神経膠腫など様々な腫瘍にも発現レベルの上昇が見られている。

 ANG1005は、LRP-1経路を利用して薬剤の血液脳関門通過を可能にした初めての癌治療薬候補で、再発性多形膠芽腫や退形性神経膠腫を含む原発性脳腫瘍を標的として開発されている。

 先に終了した、再発性の神経膠腫患者にANG1005を適用した2件のフェーズ1試験では、抗腫瘍活性を示唆する結果が得られている。フェーズ2試験もすでに1件行われ、intention-to-treat分析で抗腫瘍活性が示された。

 これらの試験に参加した患者から摘出された脳腫瘍のANG1005濃度を調べたところ、この薬剤が血液脳関門を通過し腫瘍に集積していること、その濃度は抗腫瘍効果が期待できるレベルであることが明らかになっている。

 また、ANG1005を複数回投与しても、神経認知機能を指標とする中枢神経系毒性は認められず、免疫誘導もなかったという。