抗HER3抗体製剤patritumabU3-1287)とエルロチニブの併用は、日本人の非小細胞肺癌(NSCLC)患者に有望であることが明らかとなった。フェーズ1b試験の結果、忍容性が認められ、一部の患者で抗腫瘍効果が確認されたもの。10月19日から23日まで米国ボストンで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC2013)で、国立がん研究センター中央病院の山本昇氏によって発表された。同併用療法は現在、世界規模のフェーズ3試験が計画されているという。

 フェーズ1b試験は多施設オープンラベル試験として、用量増多段階のパート1(エルロチニブを1日あたり150mg経口投与し、3週間おきにpatritumabを9mg/kg投与する群と18mg投与する群)と、パート1で決定されたエルロチニブを1日あたり150mg経口投与し、3週間おきにpatritumabを18mg/kg投与する用法・用量で患者数を拡大するパート2で構成されていた。対象患者は3B期/4期のNSCLC患者で、少なくとも1レジメンの化学療法を受けた患者とした。エルロチニブと抗HER3抗体の投与を受けていないことを条件にしたが、ゲフィチニブは投与経験があっても良いとされた。

 パート1に6人、パート2に18人の計24人が登録された。男性が16人。年齢中央値は66.5歳(36-73)。腺癌が19人。13人がEGFRに活性化変異をもち、そのうち12人はゲフィチニブによる治療を受けた経験があった。

 50%以上で認められた副作用は下痢、口内炎、爪周囲炎、座瘡様皮膚炎、ドライスキン、体重減少、食欲減退だったが、一般的に軽度で管理可能だった。重篤な副作用が4人(肝不全、細菌感染症、肺炎、癌性疼痛、座瘡様皮疹)で認められ、癌性疼痛以外はpatritumabとエルロチニブ投与に関連していると考えられた。用量制限毒性は認められなかった。

 EGFR活性化変異を持つ1人で部分奏効が認められ、14人で病勢安定(SD)が確認された。SDとなった14人のうち10人はEGFR変異を有していた。EGFR野生型患者(9人)の無増悪生存期間中央値は44.0日、EGFR活性化変異型患者(13人)の中央値は107.0日だった。