独Boehringer Ingelheim社は、2013年10月14日、欧州でnintedanibの承認申請を提出したと発表した。適応は、組織学的に腺癌であると判定された局所進行性、転移性、または再発性の非小細胞肺癌(NSCLC)の患者で、第1選択薬を用いた治療後に進行を見た人々。nintedanibはドセタキセルと併用される。

 nintedanibは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の1-3、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の1-3、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のαとβを標的とする低分子チロシンキナーゼ阻害薬で、経口投与される。

 肺癌の5年生存率は現時点でも20%未満にとどまる。肺癌の中で最も多いのが腺癌で、病期が進んだ段階で診断される患者が多い。進行した腺癌患者のほぼ全てが、第1選択薬を用いた治療後に進行を経験し、第2選択薬が必要になる。

 欧州での承認申請は、第2選択薬としてのnintedanibの生存利益を示した、国際的な二重盲検のフェーズIII LUME-Lung 1試験の結果に基づく。この試験は、第1選択薬を用いた治療後に進行をみた幅広いNSCLC患者を登録し、ドセタキセルとnintedanibを併用、または、ドセタキセル+偽薬に割り付けて生存期間に対する影響を比較したもので、nintedanibの追加により無増悪生存期間の有意な延長が見られることが示された。全ての組織型の患者を合わせて分析した無増悪生存期間は偽薬群が2.7カ月、nintedanib群が3.4カ月で、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.68-0.92、p=0.0019)だった。

 登録患者全体では、全生存期間は偽薬群が9.1カ月、nintedanib群が10.1カ月で、差は有意ではなかった(ハザード比は0.94、95%信頼区間:0.83-1.05、p=0.2720)が、腺癌患者のみを分析対象にすると、全生存期間は10.3カ月と12.6カ月で、ハザード比は0.83(0.70-0.99)となり、ニンテダニブ群の利益は有意だった。

 nintedanib群に最も多くみられた有害事象は消化管イベントと一過性の肝酵素値上昇だった。有害事象により治療中止を余儀なくされた患者の割合は偽薬群と同様だった。