9月30日、米食品医薬品局(FDA)は、ペルツズマブをHER2陽性で高リスクの早期乳癌に対する術前補助療法薬として承認すると発表した。これにより、ペルツズマブは米国で初めて乳癌の術前補助療法に承認された治療薬となる。

 ペルツズマブは、2012年6月、化学療法未治療のHER2陽性、転移性乳癌患者の治療薬として、トラスツズマブおよびドセタキセルとの併用でFDAの承認を得ている。

 新たな適応では、HER2陽性、局所進行性の炎症性乳癌または早期乳癌(腫瘍径2cm超またはリンパ節転移陽性)で、再発/転移および癌による死亡リスクが高いと予測される患者が対象となる。

 ペルツズマブは、術前補助療法としてトラスツズマブや化学療法剤との併用で用いられる。治療レジメンによっては術後に補助化学療法を実施する。また、通常、術後1年間トラスツズマブを投与する。

 この迅速承認は、局所進行乳癌、炎症性乳癌または早期乳癌でHER2陽性腫瘍を有する患者417人を対象としたNEOSPHERE試験に基づく。試験では、4通りの術前補助レジメンに患者を無作為割り付けし、病理学的完全寛解(pCR)を評価した。

 4レジメンの比較でpCRを達成した患者の割合は、トラスツズマブ+ドセタキセル併用群が21.0%であったのに対し、トラスツズマブ+ドセタキセルにペルツズマブを追加した群では39.0%に達した。

 ペルツズマブ追加群で最も多くみられた有害事象は、脱毛、下痢、吐気、白血球減少症で、重大な有害事象には心機能低下、注入関連反応、過敏反応、アナフィラキシーなどが含まれた。

 ペルツズマブはトラスツズマブと同じ抗HER2ヒト化モノクローナル抗体であるが、ペルツズマブはHERファミリーのヘテロ二量体化を阻害する。HER2標的抗体製剤であるトラスツズマブとは結合部位が異なるため、両剤は補完し合って効果を増強するとみられる。

 日本では、2013年9月にHER2陽性の手術不能または再発乳癌の適応で、中外製薬がペルツズマブ(商品名「パージェタ」)の販売を開始した。