中外製薬は9月20日、抗HER2 抗体チューブリン重合阻害剤複合体トラスツズマブ エムタンシンT-DM1、商品名「カドサイラ」)について、厚生労働省からHER2陽性の手術不能又は再発乳癌を適応症として製造販売承認を取得したと発表した。現時点でのHER2陽性進行乳癌のセカンドライン標準療法となる。

 T-DM1は、抗HER2 ヒト化モノクローナル抗体であるトラスツズマブと化学療法剤であるDM1を安定したリンカーで結合した製剤。トラスツズマブによるHER2 シグナル伝達の阻害と抗体依存性細胞障害作用を発揮するとともに、化学療法剤DM1を直接HER2陽性の癌細胞内部に送達し破壊する。

 中外製薬は、国内フェーズ2試験および国際共同フェーズ3試験(EMILIA試験)の成績などを基に2013年1月に申請を行っていた。

 EMILIA 試験は、初期治療としてトラスツズマブおよびタキサン系薬剤を含む化学療法を受けた後に病勢進行が認められた、HER2 陽性の切除不能な局所進行または転移性乳癌患者を対象とした試験。T-DM1単独療法とラパチニブとカペシタビンの併用療法(対照群)を比較した結果、主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)において、中央値は対照群の6.4カ月に対しT-DM1投与群では9.6カ月と、有意な延長が認められた(ハザード比0.65、p<0.0001)。

 また、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)に関しても、中央値は対照群の25.1 カ月に対しT-DM1投与群では30.9カ月と、5.8カ月の有意な延長が認められた(ハザード比0.68、p=0.0006)。なお、EMILIA 試験には日本からは参加していない。