肝細胞癌(HCC)に対するソラフェニブ投与開始後60日間で、皮膚の副作用が出た患者は予後が良いことが前向きの臨床試験の結果示された。9月13日から15日まで米ワシンントンD.C.で開催された第7回INTERANATIONAL LIVER CANCER ASSOCIATION(ILCA)年会で、スペインBarocelona Clinic Liver Cancer(BCLC)GroupのMaria Reig氏によって発表された。

 研究グループは、腹水/脳症のないChild-PughA/B7、PS 0-1で、ソラフェニブ禁忌やリスクのないHCC患者を対象に前向き評価を行った。経過観察は毎月、臨床的、生化学的モニタリングを行い、腫瘍のステージングは4週目とその後は8週おきに行った。ソラフェニブの開始用量はフルドーズである400mgの1日2回投与とした。

 2007年10月から2011年7月までに147人の患者が試験に参加した。HCV陽性患者が84人、年齢中央値は64歳(56-72)、Child-PughAが121人、PS 0が123人、BCLC-Bが77人、BCLC-Cが70人だった。

 観察期間中央値が11.6カ月(0.4-51.8)で、治療期間中央値は6.7カ月(0.26-35)、腫瘍増悪までの時間(TTP)中央値は5.1カ月、全生存期間(OS)中央値は12.7カ月だった。

 全体として少なくとも1件の副作用を起こした患者は99.3%。少なくとも1度用量調整を行った患者は97.3%だった。44人が副作用により投薬中止となっていたが、治療関連死はなかった。投与開始60日間でソラフェニブの用量調整は107人(73%)で行われていた。皮膚の副作用で用量調整が必要だったのは37人、循環器の副作用で必要だったのは14人だった。

 単変量解析で60日以内に発現したグレード2以上の副作用で、OSとの関連が示されたのは皮膚毒性のみだった。多変量解析でも同様だった。

 TTP中央値は60日以内に皮膚毒性を起こした群で8.1カ月(95%信頼区間:1.6-14.5)、起こしていない群で3.9カ月(95%信頼区間:2.08-5.7)で、p=0.016と有意な差があった。OS中央値も60日以内に皮膚毒性を起こした群18.2カ月(95%信頼区間:11.9-24.4)、起こしていない群10.1カ月(95%信頼区間:10.1-13.0)で、p=0.009と有意な差があった。

 研究グループは、最初の60日間で皮膚の副作用が出てもネガティブなものと捉えるべきではなく、治療をやめるべきではないとした。