進行乳癌に対して、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤ボリノスタットカペシタビンの併用が有望であることが明らかとなった。フェーズ1試験で最大耐量(MTD)が同定され、適度の抗腫瘍効果が認められた。9月7日から9日までサンフランシスコで開催されたBreast Cancer Symposium 2013(ASCO BREAST)で、米Yale School of MedicineのEdward Samuel James氏によって発表された。

 ヒストンデアセチラーゼ阻害剤と5-FUは、チミジル酸生成酵素のダウンレギュレーションによって効果を発揮すると考えられている。

 フェーズ1試験では、転移を有する乳癌患者を対象に、28日間を1サイクルとして1日目から7日目と15日目から21日目まで1日2回200mgのボリノスタット投与と、3段階にカペシタビンの用量を変えての投与が行われた。13人が用量増多群に登録され、MTDで10人が追加された。

 23人の年齢中央値は51歳(33-69)。白色人種が21人で、エストロゲン受容体(ER)かつ/またはプロゲステロン受容体(PgR)陽性患者が16人。HER2陽性患者が2人だった。転移個数は2人が1個、10人が2個、6人が3個、5人が4個以上だった。前化学療法レジメン数中央値は2(0-7)だった。

 用量増多群で、カペシタビン1500mg/ボリノスタット200mg群は8人、カペシタビン1800mg/ボリノスタット200mg群は5人だった。サイクル数中央値は2(1-42)で、カペシタビン1800mg/ボリノスタット200mg群の2人、カペシタビン1500mg/ボリノスタット200mg群の1人で1サイクル目に用量制限毒性となるグレード3の倦怠感が発現した。この結果、MTDはカペシタビン1500mg/ボリノスタット200mgとなり、同用量に10人が追加された。

 抗腫瘍効果は14人で評価可能で、カペシタビン1500mg/ボリノスタット200mg群が10人、カペシタビン1800mg/ボリノスタット200mg群が2人だった。3人の患者で6カ月以上の病勢安定(SD)が得られた。3人のうちの1人は骨転移のみのER/PgR陽性、HER2陰性の前治療数が多い患者で、カペシタビン1500mg/ボリノスタット200mg投与を42サイクル完了している。別の1人は肝転移と骨転移を有するER/PgR陽性、HER2陰性の前治療数が多い患者で、カペシタビン1500mg/ボリノスタット200mg投与を6サイクル完了している。3人目の患者は多臓器転移を有するER/PgR陽性、HER2陰性の前治療数が多い患者で、カペシタビン1300mg/ボリノスタット200mgの10サイクル目の投与を受けている。最後の患者は3サイクル目に好中球減少症のために減量が行われている。