乳癌組織に当初発現していた受容体のタイプが、術前補助化学療法を受けた後の残存腫瘍で変化することは、まれではないことが明らかとなった。また、タイプが変化することによって、無再発生存期間が延長される可能性も示された。The University of Texas MD Anderson Cancer CenterのBreast Cancer Management System Databaseを解析した結果、判明したもの。9月7日から9日までサンフランシスコで開催されているBreast Cancer Symposium 2013(ASCO BREAST)で、米The University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNapa Parinyanitikul氏によって発表された。

 研究グループは、1992年から2012年までに術前補助化学療法を受けた2058人の患者のうち、原発巣と術前補助化学療法後の残存腫瘍の両方で、エストロゲン受容体プロゲステロン受容体HER2の状態の情報が入手できた398人のデータについて解析を行った。患者はアントラサイクリン系抗癌剤、タキサン系抗癌剤、アントラサイクリン系抗癌剤/タキサン系抗癌剤のいずれかの術前化学療法を受けていた。ホルモン受容体陽性患者の87.6%が術前内分泌療法を受けていた。

 398人のうち2期の患者が200人(52%)、3期の患者が165人(42.5%)を占めていた。ホルモン受容体陽性患者が193人(49%)、HER2陽性患者が72人(18%)、トリプルネガティブ患者が128人(33%)だった。術前補助化学療法は、276人(71%)がアントラサイクリン系抗癌剤/タキサン系抗癌剤の投与を受けた。トラスツズマブベースの化学療法は72人中35人で行われた。

 解析の結果、受容体に変化がなかったのは236人(59%)で、何らかの変化があったのは162人(41%)だった。ホルモン受容体陽性患者で受容体に変化がなかったのは113人(48%)、HER2陽性患者で30人(13%)、トリプルネガティブ患者で93人(39%)だった。何らかの変化があったのはホルモン受容体陽性患者で80人(51%)、HER2陽性患者で42人(27%)、トリプルネガティブ患者で35人(22%)だった。

 エストロゲン受容体陽性患者のうち11%がエストロゲン受容体陰性に変わり、エストロゲン受容体陰性患者のうち21%がエストロゲン受容体陽性となった。プロゲステロン受容体陽性患者のうち35%がプロゲストロン受容体陰性に変わり、プロゲステロン受容体陰性患者のうち12%がプロゲステロン受容体陽性となった。HER2受容体陽性患者のうち40%がHER2受容体陰性に変わり、HER2受容体陰性患者のうち3%がHER2受容体陽性となった。トラスツズマブの投薬を受けた35人中16人(46%)がHER2陰性に変わっていた。

 予後と受容体の変化の関係を調べたところ、全生存期間は、何らかの変化があった患者で高い傾向が認められ(p=0.07)、無再発生存期間は有意に何らかの変化があった患者で高かった(p=0.003)。