膠芽腫(glioblastoma)に対するベバシズマブのFDA(米食品医薬品局)承認後、2010年に同疾患で死亡した患者では、ベバシズマブの承認以前の2008年に死亡した患者に比べ、生存期間が有意に長いことが新たな集団ベースの研究で示された。8月19日、Cancer誌に掲載された。

 報告したのは米国Mayo Clinic Cancer Centerの研究者らで、この結果は、膠芽腫患者へのベバシズマブ投与の妥当性に関する昨今の議論に一石を投じるものだ。

 研究は、米国立癌研究所(NCI)のSEER(Surveillance, Epidemiology and End Results)データベースに登録された成人の膠芽腫患者5607人のデータをもとに、ベバシズマブの承認前後の患者の解析を行った。SEERデータベースには、米国人口の28%にあたる18地域の患者が含まれた。

 膠芽腫による死亡者(2006年に1715人、2008年に1924人、2010年には1968人)の生存期間を解析したところ、2008年と2010年のデータには患者の顕著な有意差が認められた。その理由は支持療法の進歩によるものとは考えにくく、恐らくベバシズマブが膠芽腫患者の生存に寄与したとみられる」と、研究を行ったDr.Derek Johnsonは述べた。

 膠芽腫は急速に進行する最も悪性度の高い脳腫瘍で、FDAは、2つの試験による奏効率に基づいて2009年5月にベバシズマブを再発性膠芽腫の治療薬として承認した。最近のAVAglio試験、RTOG0825試験では、ともに生存延長効果はないと報告された。

 日本では2013年6月、世界で初めて初発の悪性神経膠腫(グレード3、4)に承認された。