スウェーデンOncopeptides社は、2013年8月20日、多発性骨髄腫患者を登録したオープンラベルのフェーズ2試験で、最初の患者に対するmelflufenの投与を行ったと発表した。

 melflufen(以前はJ1と呼ばれていた)は、メルファランとフルフェナミドを結合したジペプチドからなるメルファランのプロドラッグだ。細胞内に入ると、ペプチダーゼに分解されてメルファランが放出される。

 メルファランは多発性骨髄腫に対する標準的な治療薬の1つとして長年使用されてきたが、これをプロドラッグ化することにより、メルファランを投与した場合より速やかに標的細胞に送達されるようになった。さらに、腫瘍細胞にはペプチダーゼの過剰発現が見られることから、melflufenを用いた方が、腫瘍細胞内のメルファラン濃度は高くなる。ゆえに、全身性にメルファランを投与した場合より、健康な細胞への影響は小さくなり、腫瘍細胞への作用は大きくなると期待されている。

 これまでに行われたin vitro実験では、患者由来の20種類の異なるがん細胞(多発性骨髄腫を含む)に対するmelflufenの抗腫瘍効果は、メルファランの50-100倍であることが示されている。さらに、メルファランとボルテゾミブに耐性となった骨髄腫細胞にも有効であることが示唆されている。

 フェーズ2試験は、オランダ、イタリア、デンマーク、スウェーデンのそれぞれ1施設と米国の2施設で、進行した再発型または再発/難治性の患者を登録して行われている。目的は、melflufenとデキサメタゾンを併用した場合の有効性の評価となっており、主要転帰評価指標は、最高8サイクルまでの治療の期間中に認められた、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)の治療効果判定基準に基づく最良の反応に設定されている。