スイスRoche社は7月4日、未治療慢性リンパ性白血病(CLL)患者対象のフェーズ3試験であるCLL11の、第2段階での最終解析の結果を公表した。CLLの標準治療薬であるリツキシマブに対し、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)におけるobinutuzumab(GA101)の優位性が、独立データモニタリング委員会により示された。

 この最終解析のデータは、今年12月に開催される第55回米国血液学会(ASH)総会で発表される。

 CLL11試験は、ドイツCLL研究グループ(GCLLSG)と共同で行われたオープンラベル、無作為化フェーズ3試験で、未治療のCLL患者に対し、2段階設計で試験の解析を行った。

 第1段階の結果は今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告された。患者589人を対象に、obinutuzumab +クロランブシルとクロランブシル単独での比較、およびリツキシマブ+クロランブシルとクロランブシル単独での比較を行った。その結果、obinutuzumab +クロラムブシル併用群のPFS中央値は23カ月、クロラムブシル単剤群では10.9カ月であり、obinutuzumabは2倍以上PFSを延長したことが示された(ハザード比0.14、p<0.0001)。

 CLL11試験の第1段階の解析結果に基づき、4月には欧州と米国で販売承認申請が行われた。また、米食品医薬品局(FDA)は同薬をBreakthrough Therapy(画期的な治療薬)および優先審査品目に指定した。

 今回発表された第2段階の解析は、両群ともクロランブシル併用で、obinutuzumab とリツキシマブを比較したもの。患者192人が追加登録され、合計781人が対象に含まれた。

 主要評価項目は無増悪生存期間で、二次評価項目は全奏効率、全生存期間、無病生存期間、分子生物学的寛解、安全性だった。

 obinutuzumab の安全性については、obinutuzumabとリツキシマブのいずれにおいても最終解析での新たな事象はみられず、obinutuzumabの有害事象は第1段階の解析と同様だった。

 obinutuzumabは、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体。リツキシマブと同様、細胞表面のCD20を選択的に標的として免疫細胞に作用するが、さらに抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性や、直接的にアポトーシスを誘導する効力が増強されている。リツキシマブを上回る有効性および同等の忍容性が証明されれば、非ホジキンリンパ腫(NHL)などの血液腫瘍においてさらに治療の向上が期待できる。

 国際共同フェーズ3試験として、現在、低悪性度NHL対象のGALLIUM試験や、中高悪性度NHL対象のGOYA試験が進行中だ。