6月16日、稀少疾患である骨巨細胞腫におけるデノスマブ(米国での販売名「Xgeva」)の安全性を評価した非盲検、フェーズ2、国際共同臨床試験の中間結果がLancet Oncology誌に掲載された。

 報告によると、成人および骨格が成長した思春期小児の骨巨細胞腫(GCTB)における同薬の安全性プロファイルは、進行癌において報告されているものとほぼ一致していた。

 2013年6月、米食品医薬品局(FDA)は、優先審査プログラムにより、主に若年成人に多い稀少疾患である骨巨細胞腫に対し、デノスマブを承認した。今回の安全性評価試験は、その承認過程の一環として予定されていたもの。

 試験では、GCTBと診断された患者で、腫瘍測定可能かつ活動性の高い疾患を有する282人を3つのグループに分けた。手術で救済できないGCTB症例をコホート1、手術で救済可能だが障害を残す可能性が高い集団をコホート2、先に行われたデノスマブ試験から移行した患者集団をコホート3とした。

 3つのグループとも全患者に対してデノスマブ(皮下注120mg)を4週おきに投与し、loading doseとして8、15日目に投与した。

 主要評価項目は、デノスマブの安全性プロファイル(有害事象と臨床検査値異常)、2次評価項目はコホート別の検討とし、病勢進行までの期間や、6カ月時点で一切の外科手術が不要だった患者の割合を評価した。

 中間解析によると、コホート1の169例のうち163例(96%)は、13カ月の経過観察中、疾患の進行が認められなかった。コホート2の100例のうち、74例(74%)が手術を要しなかった。一方、手術を受けた患者26例においても、16例(62%)は計画よりも非侵襲的手術に留まった。

 また、全体の72%の症例で、治療プロトコルの基準による客観的腫瘍反応が確認された。そのうち25%が改訂版RECIST基準を満たしていた。

 顎骨壊死1%(3例)、高カルシウム血症(重篤な症例はなし)5%(15例)のほか、最も多くみられた有害事象は、低リン酸血症、背部痛、四肢痛、抑うつ、筋骨格痛、貧血だった。重篤有害事象は全体の9%で認められた。治療関連死はなかった。

 骨巨細胞腫(GCTB)は、通常、20〜40歳の成人や若年患者に発症する非悪性疾患。ほとんどの場合、他の部位に転移することはないが、病態が進行すると、健康な骨が完全に破壊され、疼痛、可動域制限、骨折などの原因となる。まれに悪性腫瘍に変化して肺への転移も起こる。

 GCTBは、RANKLを発現する間質細胞と、RANK受容体を発現する骨巨細胞で構成されており、RANK受容体からのシグナリングが骨溶解や腫瘍増殖を促進することが知られている。デノスマブは、破骨細胞を刺激するタンパクRANKLに結合する完全モノクローナル抗体で、RANKLに結合することによりRANK受容体の活性化を妨げる。

 米Amgen社は、今回の安全性評価の中間結果はGCTBにおけるデノスマブの有効性を示す根拠だとしている。