Bayer HealthCare社とOnyx Pharmaceuticals社は7月1日、経口キナーゼ阻害薬ソラフェニブ(製品名:ネクサバール)について、「放射性ヨード療法抵抗性の局所進行または転移性の甲状腺分化癌」の適応症で、欧州医薬品庁(EMA)と米食品医薬品局(FDA)に製造販売承認を申請したと発表した。

 甲状腺癌のおよそ94%を占める「甲状腺分化癌」は、乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞癌、低分化癌から成る。一般に、甲状腺分化癌治療の第一選択は手術で、局所残存腫瘍や遠隔転移巣に対して放射性ヨード療法を行う。ただ、放射性ヨード療法に抵抗性となると生存率も低下することが知られており、現在、放射性ヨード療法抵抗性患者への治療薬はない。

 今回の申請は、今年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)2013で発表された無作為化プラセボ対照の国際共同フェーズ3の「DECISION試験」の結果に基づくもの。

 対象は、化学療法やチロシンキナーゼ阻害薬、抗VEGF抗体、抗VEGF受容体抗体、他の分子標的薬による前治療を受けたことのない、放射性ヨード療法抵抗性の局所進行または転移を有する甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞癌、低分化癌)患者417人。ソラフェニブ400mgを1日2回投与される群(207人)とプラセボを投与される群(210人)に無作為に割りつけた。

 試験の結果、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ群が5.8カ月だったのに対し、ソラフェニブ群が10.8カ月で、有意な延長が確認された(ハザード比:0.587、95%信頼区間:0.454-0.758、p<0.0001)。また、安全性プロファイルは、すでに報告されているソラフェニブのものとほぼ一致していた。

 日本での製造販売承認申請の予定については、「申請の元となったDECISION試験に日本人も参加(日本人参加人数は非公表)していることから、今後、製造販売申請を行う予定」(バイエル薬品広報本部)としている。