6月13日、米食品医薬品局(FDA)は、主に若年成人に多い稀少疾患である骨巨細胞腫に対して、デノスマブ(「Xgeva」)の新たな適応を追加承認した。
 
 骨巨細胞腫は、通常、20〜40歳の成人や若年患者に発症する疾患で、ほとんど他の部位に転移することがない非悪性腫瘍だ。しかし、病態が進行すると、健康な骨の破壊、疼痛、可動域制限、骨折などの原因となったり、まれに悪性腫瘍に変化して肺への転移が認められたりする症例もある。

 デノスマブは、破骨細胞を刺激するタンパクRANKL(NFκB活性化受容体リガンド)に結合するモノクローナル抗体。RANKLに結合することによりRANKLの受容体であるLANKの活性化を妨げ、骨破壊を減少させる。

 同薬は、2010年に製品名Xgevaとして、癌の骨転移による骨関連事象(SRE)予防薬に、その後の2011年には、ホルモン除去療法(ADT)を受ける非転移性前立腺癌患者、およびアロマターゼ阻害剤による補助療法を受ける閉経後乳癌患者の骨折予防にFDAに承認されている。

 今回、デノスマブの新たな適応となるのは、切除不能の骨巨細胞腫、または四肢欠損や関節切除など切除手術により重度の障害を生じる可能性が高い成人および思春期小児の骨巨細胞腫だ。若年の患者では骨が十分に成長した患者に適用する。

 骨巨細胞腫に対するデノスマブのFDA承認は、安全性と有効性を検証する2つの臨床試験の結果に基づく。再発性、切除不能、または切除手術により重度の障害が予測される骨巨細胞腫患者305人が対象となった。

 腫瘍の評価が可能な187例のうち47例において、平均3カ月後に腫瘍縮小を確認した。平均追跡調査期間20カ月では、デノスマブ治療に対して初めは腫瘍が縮小していた患者のうち、3例で骨巨細胞腫の再増殖を認めた。

 主な有害事象は、関節痛、頭痛、悪心、倦怠感、背部痛、四肢疼痛で、主な重篤有害事象は顎骨壊死、骨髄炎だった。

 デノスマブは胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠可能な女性が治療を受ける場合、最も効果的な避妊を行なう必要がある。

 FDAの骨巨細胞腫への適応承認は「優先審査プログラム」により行われた。また、同薬は、希少疾病用医薬品指定を受けていた。

 日本では、デノスマブは商品名「ランマーク皮下注120mg」として、多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変に適応となっている。また、骨粗鬆症に対しては商品名「プラリア」として市販されている。