米食品医薬品局(FDA)は、2013年5月29日、進行したメラノーマに対する治療薬2剤とコンパニオン診断薬を承認した。

 転移性または切除不能のメラノーマを適応として承認されたのは、いずれも英GlaxoSmithKline社のBRAF阻害薬dabrafenib(「Tafinlar」)とMEK阻害薬trametinib(「Mekinist」)。dabrafenibはBRAF遺伝子のV600E変異陽性の患者に、trametinibはBRAFのV600E変異またはV600K変異陽性の患者に適用される。これら2剤の併用は認められない。

 それぞれの薬剤が適用される患者を同定するためのコンパニオン診断薬「THxID BRAF Kit」も承認を得た。仏BioMérieux社が市販するこの検査薬は、切除したメラノーマ組織を標本としてV600EまたはV600K変異の有無を調べるキットだ。皮膚のメラノーマの約半数はBRAF遺伝子に変異を有することが明らかになっている。

 THxID BRAF Kitを用いたdabrafenibのフェーズ3試験は、BRAF V600E変異陽性の進行メラノーマ患者250人を登録し、dabrafenibまたはダカルバジンに無作為に割り付けたもの。dabrafenib群の無増悪生存期間はダカルバジン群より2.4カ月長かった。dabrafenib群の患者に多く見られた重症有害事象は、皮膚癌(有棘細胞癌)、発熱(低血圧を伴う場合あり)、重症の悪寒、脱水、腎不全、糖尿病治療薬が必要になるレベルの血糖値上昇などだった。

 やはりTHxID BRAF Kitを用いたtrametinibに関するフェーズ3は、V600EまたはV600K変異陽性の322人を登録し、無作為にtrametinibまたは化学療法に割り付けた試験で、trametinib群の無増悪生存期間は化学療法群より3.3カ月長かった。dabrafenibまたは他のBRAF阻害薬の使用歴がある患者にはtrametinibの利益は認められなかった。trametinib群に多く見られた重症有害事象は、心不全、肺の炎症、皮膚の感染症、視力低下などだった。

 進行したメラノーマを適応としてFDAの承認を得た治療薬としては、2011年に、転移性または切除不能のメラノーマを適応としてvemurafenib(「Zelboraf」、米Genentech社)とipilimumab(「Yervoy」、米Bristol-Myers Squibb社)が承認を得ている。