抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を高めたタイプII抗CD20抗体obinutuzumab (GA101) は、慢性リンパ性白血病(CLL)の増悪リスクを有意に低下させることがフェーズ3試験「CLL11」で明らかになった。スイスF. Hoffmann-La Roche社が5月16日に発表した。詳細な結果は、5月31日から開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告される。

 CLL11試験は、ドイツCLL研究グループ (GCLLSG)との共同で行われたオープンラベル無作為化3群比較フェーズ3試験。高齢者を含む未治療CLL患者781人を対象に、GA101もしくはリツキシマブに欧米での標準薬であるクロラムブシルを併用する群と、クロラムブシルを単剤投与する群を比較した。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)、微小残存病変(MRD)、安全性プロファイルと設定された。

 今回の解析は589人を対象に行われた。結果、PFS中央値が、GA101とクロラムブシル併用群では23カ月だが、クロラムブシル単剤群は10.9カ月であり、GA101との併用で増悪もしくは死亡リスクは86%低下した(ハザード比0.14、p<0.0001)。

 リツキシマブとクロラムブシル併用群では、PFS中央値は15.7カ月で、これもクロラムブシル単剤群に比べて増悪もしくは死亡リスクが有意に低下した(ハザード比0.32、p<0.0001)。

 なおGA101とクロラムブシル併用群とリツキシマブとクロラムブシル併用群の比較は、PFSイベント数が到達していないため、現時点では行われていない。

 GA101とリツキシマブで新たな有害事象はなかった。GA101における主なグレード3/4の有害事象は、注射部位反応が21%、好中球減少34%、感染症6%だった。ただし注射部位反応は初回投与以降は減少し、重篤な注射部位反応も初回以降はなかった。リツキシマブではグレード3/4の注射部位反応が4%、好中球減少25%、感染症8%だった。

 GA101は、糖鎖工学的につくられた初のタイプIIヒト化抗CD20モノクローナル抗体。タイプII構造で、免疫細胞との高い親和性をもつことで、ADCC活性を高めた。またB細胞上のCD20と結合して、直接的な細胞死を誘発する。

 このCLL11試験のデータに基づき、欧州と米国で販売承認申請が行われた。また米食品医薬品局(FDA)はGA101をBreakthrough Therapy(画期的な治療薬)に指定している。