米Array BioPharma社(以下、Array社)は5月6日、再発低グレード漿液性卵巣癌(LGSOC)に対し、MEK阻害剤のMEK162と標準化学療法を比較するグローバルフェーズ3試験MILO(MEK Inhibitor in Low Grade Serous Ovarian Cancer)を、2013年夏に開始すると発表した。

 MEKはRAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路における重要なプロテインキナーゼ。非小細胞肺癌や黒色腫、甲状腺癌、卵巣癌、さらにBRAF変異やNRAS変異をもつ腫瘍においてMEKの活性化がみられる。

 MEK162はArray社が開発した低分子MEK阻害剤。2010年4月にスイスNovartis社と開発・販売権に関するライセンス契約をしている。MEK162はこれまでに10件の臨床試験が行われ、2013年にはBRAF変異やNRAS変異を有する黒色腫対象のフェーズ3試験を含め、6件の臨床試験が計画されている。

 MILO試験は、国際的ランダム化フェーズ3試験として、医師が選択した標準化学療法とMEK162を比較する。対象は、再発もしくは持続的なLGSOC患者300人で、少なくとも1回のプラチナ系抗癌剤を含む化学療法歴があり、かつ前治療歴が3レジメン以内の患者とした。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、主な副次評価項目は全生存期間と設定された。

 卵巣癌の中で漿液性卵巣癌の占める割合は大きく、欧米ではLGSOCは卵巣癌全体の10%といわれている。若年者が多く予後も良好だが、高グレード漿液性卵巣癌に比べて、LGSOCでは従来の化学療法への奏効率が低い。再発LGSOC患者における化学療法の奏効率は4%未満であり、化学療法を受けたLGSOC患者のPFS中央値はおよそ7カ月と報告されている。

 なお再発LGSOC患者に対するMEK阻害剤の効果は、Gynecologic Oncology Group(GOG)が行ったselumetinibのフェーズ2試験で報告されている。selumetinibもArray社が開発した低分子MEK阻害剤。対象は再発LGSOC患者52人で、患者の58%が3回以上の化学療法を受けていた。結果、奏効率は15%、病勢制御率は81%だった。PFS中央値は11.0カ月で、65%の患者では6カ月超のPFSが得られ、忍容性も認められた。