スイスF. Hoffmann-La Roche社は4月26日、皮膚癌の中でも発生頻度の高い基底細胞癌の治療薬として、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する経口薬vismodegib(商品名Erivedge)の条件付き承認を欧州医薬品委員会(CHMP)が勧告したと発表した。適応は、症候性転移性基底細胞癌もしくは手術療法や放射線療法が不適切な局所進行基底細胞癌としている。

 CHMPは、提出されたvismodegibの安全性や有効性のデータから、ベネフィットとリスクのバランスが良好であると判断し、販売承認を勧告した。この販売承認は条件付きで、進行中の試験からの追加データの提出が求められる。

 vismodegibは、癌の発生や進展に関与するヘッジホッグシグナル伝達経路を選択的に阻害する。今回の条件付きの承認勧告は、ERIVANCE BCCフェーズ2試験に基づいたもの。試験は米国、オーストラリア、欧州の31施設において、進行基底細胞癌患者104人(局所進行71人、転移性33人)を対象に行われた。この結果、局所進行患者での奏効率は42.9%、転移性患者では30.3%であり、腫瘍の縮小もしくは病変の改善が認められた。

 主な有害事象は、筋痙攣、脱毛、味覚異常、倦怠感、体重減少であった。重篤な有害事象(SAE)は26人(25%)に見られたが、vismodegib関連のSAEは4人(4%)のみだった。vismodegib関連の死亡はなかった。

 また安全性については、国際多施設共同単群オープンラベル試験のSTEVIEでも評価されている。進行基底細胞癌患者1200人が登録される。なお中間解析の結果は、ERIVANCE BCC試験での安全性プロファイルとほぼ同じであった。

 Roche社は、米国Curis社との提携契約のもとにvismodegibを開発している。米国ではGenentech社、米国以外はRoche社、日本では中外製薬が臨床開発を進める。2012年1月には米国で進行基底細胞癌を適応に承認され、その後、メキシコ、イスラエル、韓国で承認されている。