骨髄腫細胞に過剰発現するCD54抗原を標的とした抗ICAM-1ヒトモノクローナル抗体薬BI-505の、無症候性(くすぶり型)骨髄腫患者を対象としたフェーズ2試験が開始された。

 今回の試験には最高10人の患者が組み入れられ、BI-505投与後の病態を評価する。また、2次評価項目として同薬の安全性、薬物動態およびバイオマーカーも検証する予定だ。

 4月3日から7日に京都で開催された国際骨髄腫ワークショップで報告されたBI-505 のフェーズ1用量漸増試験の結果では、進行した多発性骨髄腫患者において良好な安全性プロファイルが示された。また、投与を延長した患者では、進行した病態にもかかわらず29人中7人(24%)が2カ月以上の病勢安定(SD)に達したことで、有効性を示唆する結果も得られた。

 BI-505 は、細胞間接着因子-1(ICAM-1)とも呼ばれるCD54抗原に特異的に結合することにより、骨髄腫細胞の増殖を阻害、または細胞死を誘導する。さらには患者の免疫細胞に働きかけて骨髄腫細胞を殺傷する機序を持つ。

 複数の動物実験の結果によると、骨髄腫細胞に対するBI-505の殺傷能力は、既存のいずれの治療薬をも上回っていた。また、ボルテゾミブやレナリドミドと併用した場合、BI-505単剤と比較して抗腫瘍活性が顕著に増強されることも前臨床で示されている。

 BI-505は、スウェーデンのBoiInvent社が独バイエルヘルスケア、第一三共、三菱田辺製薬、仏セルヴィエ社と共同開発中の薬剤で、米国および欧州ではすでに多発性骨髄腫の治療薬として稀少疾病用医薬品の指定を受けている。