dose-adjusted(DA)-EPOCH-R療法(エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、リツキシマブ)を受けた原発性縦隔B細胞性リンパ腫患者は、放射線療法を受けずに良好な転帰が得られたことが、米国国立癌研究所(NCI)のWyndham H. Wilson氏らが行ったフェーズ2試験で明らかになった。詳細は、New England Journal of Medicine誌の2013年4月11日号に掲載された。

 原発性縦隔B細胞性リンパ腫は、主に10代から30代の若年者に発症する。患者の多くは化学療法と放射線療法の併用で治癒するが、それでも患者の20%は増悪する。また胸部への照射は、新たな癌や心疾患の原因となる可能性があり、リスクは患者が年齢を重ねるにしたがって上昇するため、若年者では特に問題となる。このリンパ腫は女性に多く、胸部への照射は乳癌発症のリスクを上昇させる。

 Wilson氏らは、未治療の原発性縦隔B細胞性リンパ腫患者51人を対象として、DA-EPOCH-R療法を評価する単群のフェーズ2試験を行った。51人の年齢中央値は30歳、女性が59%を占め、腫瘍の最大径の範囲は5-18cm(中央値11cm)だった。

 追跡期間中央値が63カ月の時点で、51人の無イベント生存率(EFS)は93%、全生存率(OS)は97%となった。49人で完全寛解(CR)が得られ、再発した患者はいない。CRが得られなかった2人は放射線療法も受け、再発はみられていない。その他の疾患の発症や心毒性のエビデンスも認められなかった。

 またWilson氏らは、DA-EPOCH-R療法による転帰を独立して評価するため、米Stanford University Medical CenterでDA-EPOCH-R療法を受けた、未治療の原発性縦隔B細胞性リンパ腫患者16人をレトロスペクティブに検討した。患者背景はフェーズ2試験と類似しており、年齢中央値は33歳、女性が56%、腫瘍の最大径の範囲は7-18cmだった。追跡期間中央値が37カ月の時点で、16人のEFS、OSはともに100%だった。DA-EPOCH-R療法で16人全員でCRが得られ、放射線療法を必要とした患者はいなかった。

 同論文の筆頭筆者であるNCIのKieron Dunleavy氏によると、この結果に基づき、原発性縦隔B細胞リンパ腫の小児患者を対象としてDA-EPOCH-R療法を評価する国際的なフェーズ2試験が進行中であるという。