米Pfizer社は4月10日、開発中の選択的サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤palbociclib(PD-0332991)が、乳癌治療薬として、米食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapy(画期的な治療薬)の指定を受けたと発表した。

 Breakthrough Therapyの指定は、2012年のFDA Safety and Innovation Act(FDASIA)の一部として制定された。重篤もしくは致命的な疾患の治療のため、単剤あるいは他剤との併用で行われた予備的な臨床結果が、少なくとも1つの臨床的に重要なエンドポイントにおいて、既存の治療を超える改善が示された場合、その薬の開発や審査を促進することを目的としている。

 palbociclibはCDK4とCDK 6を選択的に阻害する経口阻害剤。CDK4とCDK 6は細胞周期のG1期からS期への移行に必要なキナーゼ。CDK 4/6の阻害は、癌抑制タンパク質である網膜芽細胞腫(Rb)遺伝子タンパク質の不活性化を防ぎ、腫瘍細胞の進行を妨げることが示されている。また前臨床研究において、palbociclibは細胞周期のS期の開始を防ぐことにより、細胞成長を阻害しDNA複製を抑制することが示された。

 今回のBreakthrough Therapy指定は、乳癌患者を対象としたフェーズ2試験のデータに基づく。中間解析の結果が昨年のサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で発表された。

 フェーズ2試験は、HER2陰性エストロゲン受容体(ER)陽性進行乳癌に対するファーストライン治療として、palbociclibとレトロゾールの併用とレトロゾール単剤を比較した。結果、レトロゾール単剤での無増悪生存期間(PFS)中央値は7.5カ月だが、palbociclibとレトロゾール併用では26.1カ月と、有意にPFSは延長した。

 同社では多施設共同無作為化二重盲検フェーズ3試験(Study 1008)を開始した。フェーズ2試験と同様に、HER2陰性ER陽性の局所進行もしくは転移性乳癌の閉経後患者を対象に、ファーストライン治療として、palbociclibとレトロゾールの併用とレトロゾール単剤を評価する。現在、患者登録を進めている。