BRCA遺伝子に変異を持つ治療不能の固形癌患者に、経口ヌクレオシド誘導体のsapacitabineCDK阻害剤seliciclibを連続投与することが有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で抗腫瘍効果が確認されたもの。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されたAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、米Dana-Farber Cancer InstituteのGeoffrey I. Shapiro氏によって発表された。

 sapacitabineはDNAの単鎖に傷害を引き起こすヌクレオシド誘導体。sapacitabineによって起きたDNA損傷の修復にはBRCAたんぱく質が必要なことから、BRCAが不完全な癌で特に効果が期待されている。seliciclibはDNA修復過程の抑制などで効果を発揮していると考えられており、前臨床試験で協調的な抗腫瘍効果が確認されている。

 研究グループはフェーズ1試験に、臓器機能は適切な状態で、治療不能の固形癌患者38人を登録した。患者は7日間sapacitabineを1日2回投与され、その後3日間seliciclibを1日2回投与された。BRCA遺伝子に変異がある患者は16人で、年齢中央値は55歳(31-75)、全員女性で、PS0が7人、1が9人。乳癌が8人、卵巣癌が7人、膵癌が1人で、前治療が4レジメン以上の患者は11人だった。その他の患者22人は、年齢中央値が56歳(32-80)、男性が15人、PS0が5人、1が17人だった。大腸癌が3人、非小細胞肺癌が6人、卵巣癌が1人、膵癌が3人、その他が9人で前治療が4レジメン以上の患者が15人だった。

 試験の結果、BRCA遺伝子に変異がある乳癌2人、膵癌1人、卵巣癌1人で部分奏効(PR)が得られた。また変異を持つ卵巣癌患者1人と乳癌患者1人で病勢安定(SD)となった。

 sapacitabineが50mg、seliciclibが400mg群(10人)では用量制限毒性(DLT)が1人(グレード3のAST上昇とグレード4の好中球減少症)。sapacitabineが75mg、seliciclibが400mg(3人)ではDLTが2人(グレード4の好中球減少症)。sapacitabineが50mg、seliciclibが800mg(6人)ではDLTなし。sapacitabineが50mg、seliciclibが1200mg(19人)ではDLTが6人(グレード4の好中球減少症、グレード3の倦怠感、グレード4のASTとトータルビリルビンの上昇、グレード3のALT/ASTの上昇、グレード3のAST、ALTとトータルビリルビンの上昇、グレード3の腹痛)。発現した全グレードで多く見られた副作用は吐き気、下痢、嘔吐、AST上昇などだった。

 sapacitabine 50mg、seliciclib 800mgがフェーズ2の推奨用量となった。