抗MUC16抗体薬剤複合体製剤DMUC5754Aが白金製剤抵抗性卵巣癌に有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験の結果、MUC16高発現患者で有効性が示されたもの。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されたAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、米Harvard Medical SchoolのJoyce Liu氏によって発表された。

 MUC16は正常組織に比べて卵巣癌細胞の多くで過剰発現している膜たんぱく質。発症に関与する機序は不明だが、卵巣癌細胞の腹腔の中皮細胞への結合を促進し、ナチュラルキラー細胞を介した抗腫瘍活性を阻害している可能性が示唆されている。

 フェーズ1試験では進行、再発白金系抗癌剤抵抗性の卵巣癌を対象に、DMUC5754Aの安全性、薬物動態、薬物力学を評価した。3週間おきに投与は行われ、投与量を0.3から3.2mg/kgに増加させた群に22人、2.4mg/kgで投与した拡大コホート群に22人が参加した。年齢中央値は63歳(44-79)で、ECOG PSは0が33人、1が11人。前治療レジメン数中央値は4(1-16)だった。

 試験の結果、1人の完全奏効(CR)、4人の部分奏効(PR)が認められた。効果が認められた5人は、MUC16発現レベルが高い患者(免疫組織染色で2+または3+)で、1.8mg/kg以上の投与を受けた患者だった。

 試験では2件の用量制限毒性(グレード4の好中球減少症、グレード4の尿酸上昇)が最大投与量の3.2mg/kgで認められた。グレード3の副作用で多かったのは倦怠感(9%)、好中球減少症(9%)だった。倦怠感は全投与用量で認められ、患者の57%に発現した。その他の副作用は吐き気、嘔吐、食欲低下、下痢、末梢神経障害だった。末梢神経障害は管理可能で、投薬の遅延や減量によってほとんどの患者で可逆的だった。