ブルトン型チロシンキナーゼの選択的阻害剤であるibrutinib(PCI-32765)が、未治療、再発、不応性の慢性リンパ性白血病(CLL)に対して有用である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験の予備的な解析の結果、17番染色体短腕(17p)の状態に関わらず、安全で有効であることが示された。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されているAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、米国立衛生研究所(NIH)のAdrian Wiestner氏によって発表された。

 多くの高齢CLL患者は、強力な標準療法を受けることができない。また、17pが欠失している患者では化学療法に対する予後が良くないことが知られている。ibrutinibのフェーズ2試験はこれら2群の患者を対象に行われている。

 解析時点でフェーズ2試験には53人の患者が登録されていた。29人が17p欠失患者で、24人は17p欠失はしていないが65歳以上の患者だった。患者は毎日ibrutinib420mgの投与を受け、6カ月ごとに効果を評価し、病勢が進行するまで継続された。

 試験の結果、最初の6カ月時点の効果が評価可能だったのは44人だった。17p欠失患者(24人)のうち54%が部分寛解(IWCLL)、42%がリンパ球増加を伴う部分寛解、増悪は1人だけだった。17p欠失はしていないが65歳以上の患者(20人)のうち55%が部分寛解(IWCLL)、40%がリンパ球増加を伴う部分寛解、病勢安定が1人だった。サイクル数を重ねて追跡した結果、ibrutinibによる一時的なリンパ球数増加は増悪を示すものではなかった。全員で脾腫大の減少が認められ、減少の中央値は55%だった。12カ月時点の無イベント生存率は94%だった。

 骨髄穿刺が行われた26人の患者で、腫瘍浸潤は82%減少していた。絶対リンパ球数は中央値で62%減少していた。

 15人の患者で治療前と後の血液とリンパ節組織が得られ、B細胞受容体による情報伝達、腫瘍増殖が抑えられていること(Ki67染色法で80%以上)が確認された。

 また、ほとんどの副作用は軽度で、下痢、倦怠感、皮疹、などが13%以下の患者で認められた。