小児のCD19陽性急性リンパ性白血病(ALL)に、CD19キメラ抗原受容体発現T細胞(CART19細胞)療法が有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験の予備的な結果だが骨髄移植後にALLを再発した3人の患者で効果が認められ、安全性も受容可能だった。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されているAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、米国立がん研究所(NCI)のDaniel W. Lee氏によって発表された。

 CART19細胞療法は、T細胞を、CD19を認識するキメラ抗原受容体(CAR)を発現させるよう改変し患者に投与する治療法。

 ALLを初めて発症した小児は、95%以上が寛解を得ることができる。しかし、再発する患者もおり、いったん再発すると患者の予後は悪く、米国の小児癌の死亡原因の1位となっている。

 Lee氏らは細胞療法を実施する時間を短縮するために、患者(骨髄移植を受けた患者も含む)から直接T細胞を採取し改変後患者に戻すフェーズ1試験を実施している。現在までに3人の小児ALL、1人の小児B細胞性リンパ腫患者に治療を実施し、効果をみた。また投与細胞数を3倍にしたレベル2の試験も実施している。

 1番目のALL患者(移植経験あり)は体重1kgあたり100万個の細胞を投与され、CRi(骨髄では完全寛解だが、血球数は回復していない状態)が認められた。2番目のALL患者(移植経験あり)は体重1kgあたり2.8万個と十分な細胞を投与することはできず、SD(病勢安定)となったが早期に一過性の完全寛解が得られた。3番目の患者はB細胞性リンパ腫患者(移植経験あり)で、体重1kgあたり100万個の細胞を投与されたが病勢進行した。4番目の患者はALLで化学療法に全く反応した経験がなく、移植経験もない患者で、体重1kgあたり100万個の細胞を投与され、CR(完全寛解)が認められた。

 副作用は一時的で、発熱、低血圧、低血球数が認められたが、骨髄移植後の患者でも安全性は受容可能だった。また移植片対宿主病(GVHD)は認められていない。