BRCA1遺伝子変異またはBRCA2遺伝子変異を持つ乳癌患者は、変異を持たない患者に比べて長期間の再発率は高く、死亡率も高い可能性が明らかとなった。オランダで行われた大規模コホート研究の結果、示されたもの。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されているAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、オランダNetherlands Cancer InstituteのMarjanka M.K.Schmidt氏によって発表された。

 Schmidt氏らは1970年から2002年にオランダの癌関連病院10施設で、50歳前に乳癌と診断され治療を受けた5319人についてBRCA遺伝子の状態と生存の関係を調べた。

 5518人のうちBRCA1遺伝子に変異を持つ患者は3.5%(191人)、BRCA2遺伝子に変異を持つ患者は1.2%(66人)だった。変異を持たない患者の年齢中央値は44歳、グレード1が18.4%、グレード2が35.9%、グレード3が45.7%、リンパ節陽性が47.9%、エストロゲン受容体陽性が68.2%だった。BRCA1遺伝子変異を持つ患者の年齢中央値は38歳、グレード1が2.0%、グレード2が21.6%、グレード3が76.4%、リンパ節陽性が42.1%、エストロゲン受容体陽性が29.1%だった。BRCA2遺伝子に変異を持つ患者の年齢中央値は42歳、グレード1が12.5%、グレード2が27.1%、グレード3が60.4%、リンパ節陽性が59.1%、エストロゲン受容体陽性が82.4%だった。

 解析の結果、5年間累積再発はBRCA遺伝子に変異を持つ患者の方が高かった。BRCA1変異を有する群のハザード比が1.5(95%信頼区間:1.2-2.0)、p=0.001、BRCA2変異を有する群のハザード比が1.8(95%信頼区間:1.2-2.7)、p=0.005だった。臨床病理学的因子で調整後のハザード比では、BRCA1変異を有する群は1.2(95%信頼区間:0.9-1.5)、p=0.295と有意ではなくなったが、BRCA2変異を有する群のハザード比は1.6(95%信頼区間:1.1-2.4)、p=0.026と有意だった。

 15年間死亡率もBRCA遺伝子に変異を持つ患者の方が高い傾向にあった。BRCA1変異を有する群のハザード比が1.4(95%信頼区間:1.1-1.8)、p=0.002、BRCA2変異を有する群のハザード比が1.4(95%信頼区間:1.0-2.1)、p=0.054だった。臨床病理学的因子で調整後のハザード比では、BRCA1変異を有する群は1.2(95%信頼区間:1.0-1.5)、p=0.120、BRCA2変異を有する群のハザード比は1.3(95%信頼区間:0.9-1.9)、p=0.144だった。