経口AKT1、2、3阻害剤であるAZD5363が、西洋人と日本人の進行固形癌で有効である可能性が明らかとなった。欧州と日本でそれぞれ行われたフェーズ1試験で、忍容性が認められ、PI3K経路を活性化する変異を持つ患者で部分奏効(PR)が確認された。2013年4月6日から10日までワシントンで開催されているAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、英Institute of Cancer ResearchのUdai Banerji氏によって発表された。

 フェーズ1試験は欧州(NCT01226316)と日本(NCT01353781)で、週7日連続して投与する方法(連続投与法)と、4日投与して3日休薬する方法(4日間欠投与法)、2日投与して5日休薬する方法(2日間欠投与法)で実施された。合計で93人の患者が投薬を受け、大腸癌患者が最も多く27人を占めていた。

 連続投与法は80mgから800mgまで投与量を変更して行われたが、320mg以上では複数の用量制限毒性(DLT)が認められた(80mg群は8人中0人、160mg群は5人中0人、240mg群は12人中1人、320mg群は14人中4人、400mg群は14人中3人、480mg群は6人中5人、800mg群は2人中2人)。このため最大耐量(MTD)は240mgから320mgの間とされた。4日間欠投与法では480mg群は11人中0人、640mgで6人中1人でDLTが見られ、480mgがMTDとなった。2日間欠投与法は640mg、800mgそれぞれ6人中1人ずつのDLTが認められたが、試験は進行中でMTDは同定されていない。連続投与から間欠投与にすることで、DLTの出現は低下した。

 多く見られた副作用は下痢(77%、グレード3以上は14%)、吐き気(47%、グレード3以上は2%)、皮疹(43%、グレード3以上は13%)、高血糖(36%、グレード3以上は15%)、嘔吐(36%、グレード3以上は4%)だった。

 また薬物動態の解析から、患者で忍容性が認められた用量は、前臨床試験で良好な結果が得られた用量と同等だった。患者の髪の毛と血液を用いた解析でpPRAS40とpGSK3βの30%以上の減少が認められ、AKTがうまく阻害されていることが示唆された。

 抗腫瘍効果は、AKT1またはPIK3CAに変異があった3人全員(卵巣癌患者2人と子宮頸癌患者1人)で腫瘍縮小効果が認められた。2人はPRだった。

 現在、2日間欠投与法のフェーズ1試験が進められている。