次世代PI3キナーゼ阻害剤であるGDC-0032が、進行固形癌に有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1a試験で良好な安全性プロファイルが得られ、PI3キナーゼαの遺伝子に変異を持つ患者で抗腫瘍効果が認められた。2013年4月6日から10日にワシントンで開催されているAmerican Association for Cancer Reserach(AACR2013)で、米Massachusetts Geneal Hospital Cancer CenterのDejan Juric氏によって発表された。

 GDC-0032は米Genentech社によって開発された経口PI3キナーゼ阻害剤。PI3キナーゼα(PI3Kα)の遺伝子変異に対する活性が高い製剤だ。PI3Kαの遺伝子の変異は、ホルモン受容体陽性乳癌の約40%に認められるという。

 フェーズ1a多施設オープンラベル試験は局所進行または転移を有する固形癌患者34人(乳癌14人、大腸癌5人、非小細胞肺癌5人など、年齢中央値は56歳、前治療レジメン数中央値は4)を対象に、GDC-0032を1日1回投与することで行われた。GDC-0032の投与量は3mg、5mg、8mg、12mg、16mgの5段階に分けて行われた。

 試験の結果、2件の用量制限毒性(グレード4の高血糖、グレード3の倦怠感)が16mg群で、1件の用量制限毒性(グレード3の急性腎不全)が12mg群で認められた。多く見られた副作用は下痢(44%、グレード3は6%)、倦怠感(36%、グレード3は6%)、高血糖(38%、グレード3以上が18%)、吐き気(35%)、食欲低下(35%)だった。試験に関連したグレード4の副作用は16mg群の高血糖のみだった。最大耐量(MTD)は16mgとなり、フェーズ2の推奨用量は9mgとなった。

 抗腫瘍効果は、PI3Kαの遺伝子に変異を持つ患者12人中5人でRECIST評価による確認部分奏効(cPR)が3から12mg群で見られ、4人で病勢安定(SD)となった。特に変異を持つ乳癌患者では6人中4人でcPR(−30%から−70%)が確認され、2人はSDだった。さらに、変異によりPI3Kαが活性化された肺癌患者1人でもPRが認められた。

 GDC-0032は固形癌を対象に単剤として、乳癌を対象にレトロゾール、フルベストラントと併用する開発が進められている。